ポメラニアンと暮らす。飼育としつけのポイント
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小柄な体格とふわふわとした毛で愛らしさが人気のポメラニアン。
小型犬で屋内でも飼いやすく、昔から根強い人気がある犬種です。
アニコム損保がこのほど発表した「人気犬種ランキング2020」でも、9年連続6位と人気の高さを表しています。
そんなポメラニアンですが、実際に飼う際はどのような点に注意すればよいのでしょうか。
犬の性格は犬種が半分、飼い方が半分といわれます。
犬を飼う際は遺伝的にどのような性格になる傾向が強いのかを理解し、犬種にあった飼い方をしていかないと、わがままでイタズラ好きの「困ったペット」になってしまうかもしれません。
また、その犬の特徴や特性に適した環境を用意してあげないと病気やケガになってしまうリスクも大きくなってしまいます。
犬を飼う際はその犬種ごとの特徴・特性と飼い方を事前に知っておくことが重要です。
今回の記事ではポメラニアンの特徴と飼育の際気をつけるべきポイントについて解説します。
ポメラニアンの特徴
・からだの特徴
体高18cm~22cmで、体重は1.8kg~2.3kgが理想とされています。
豊富な毛並みが特徴で、とくにライオンのたてがみのような毛と、背中の上に乗っているふわふわの尻尾が特徴的です。
毛色はオレンジっぽい色がメジャーですが、ほかにもブラックやホワイト、セーブルやチョコレートなどのカラーがあります。
・性格
ポメラニアンの祖先は“そり犬”なので、小さくても活発でとても遊び好き。好奇心旺盛で明るいタイプです。
また、賢く甘えん坊で、飼い主に忠実な性格と言われています。
しつけたことはよく覚えてくれるので、初心者でも飼いやすいといえます。
好奇心旺盛で自己主張が強い犬らしい側面もあるので、しつけができていないと苦労するかもしれません。
注意深いところがあり、警戒したり興奮したりすると吠えやすい傾向もあります。
落ち着いて対処できるように子犬のころから他人や犬、様々な環境に慣れさせておきましょう。
しつけのポイント
・しつけの必要性
利口というとしつけの必要がないと考える方もいるかもしれませんが、利口なポメラニアンもしつけの必要はあります。
しつけを行っていないと、していいことと、してはいけないことの区別がつかないので、しつけを通して丁寧に教えてあげましょう。そうすることで他人に迷惑をかけることなく、ペットライフを楽しめます。
犬のしつけが不十分だと次のようなデメリットがあります。
- ムダ吠えをする
- イタズラをする
- トイレを覚えない
- 事故に遭ったり、人に危害を与える可能性がある
1.ムダ吠えをする
犬にとって吠えることは欲求や不安、恐怖、縄張りや飼い主を守るために危険を伝えるコミュニケーション手段です。
ある程度吠えるのは仕方ないですが、あまり吠えすぎるとご近所トラブルに発展することもあります。
とくに、ポメラニアンは甲高い声で吠えるため、人によっては特に不快と感じるかもしれません。
2.イタズラをする
ポメラニアンは好奇心が強いため、いろいろなものをくわえて遊びます。そのなかには、仕事の書類など飼い主にとって大切なものや、電気コードなど危険なものもあるかもしれません。
しつけは飼い主とペットの関係をつくるようにすると同時に、ペットの命を守ることにもつながっています。
3.トイレを覚えない
犬の排せつは散歩中にさせるか、家の中に設置したトイレでさせるかのどちらかです。
散歩中にさせる方法には次のような問題があります。
- 自由にトイレに行けないため、我慢を強いることになり健康によくない
- 天候にかかわらず散歩しなければならず飼い主も大変
- 排泄物の処理不足などでご近所トラブルに発展する可能性もある
- おしっこの色や量などで体調の変化を確認しづらい
よって、できるだけ、家の中でトイレができるようトイレトレーニングをしましょう。
4.事故に遭ったり、人に危害を与える可能性がある
飼い主の「待て」「とまれ」などの指示が聞けないと、興奮したときに道路に飛び出したり、人に飛びついて相手にけがをさせたり、物を壊したりする可能性があります。・しつけの仕方
1.ムダ吠え防止のためのしつけ
まず、犬は吠える生き物であることを頭に入れておきましょう。 犬にとって吠えることはコミュニケーションの手段であるため、体調不良を訴えるなど、中には重要なメッセージであるものもあります。ムダ吠えのしつけを行う際は、まずどんなときに吠えているか、その鳴き声の目的・原因は何か知り、原因に応じて対処していく必要があります。
ムダ吠えの対策には大きく分けて3通りの対策法があります。
「褒める」「慣れてもらう」「無視する」です。
・褒める
犬は褒めると喜びます。吠えそうなときや吠えているときに吠えるのを我慢した時には思いっきり褒めてあげましょう。
よく伝わるように、少し大げさに褒めてあげるぐらいがちょうどいいです。
このようにすることで、犬は飼い主に褒めてもらうために吠えるのを控えるようになります。
・慣れてもらう
ムダ吠えの中には社会経験の浅さからくる恐怖心・不安が原因のものもあります。たとえば、よく遊びに来る来客に吠えたり、すれ違った人や動物に吠えたりする場合などです。
このような社会経験の不足からくるムダ吠えは「社会化」とよばれる訓練によってある程度防止できます。
犬は、社会に適応するための学習を行っています。
とくに生後3週間から14週間(生後3か月半)の間は社会化期とよばれ、この時期に世の中に多様な人や動物がいるということや、家の外の世界がどのようになっているかを知ることは、社会の中で暮らす上で非常に重要です。
社会化期にいろいろな音を聞かせたり、散歩して外を一緒に見て回ったり、家族以外の人や他のワンちゃんと接する機会を多く持つことで将来的にムダ吠えの少ない犬になることが期待できます。
ただし、生まれてから14週間までに受けるワクチン接種が終わるまでは、感染症にかかる恐れがあるため、抱っこして外に出るといいでしょう。
・無視する
おやつやごはんが欲しい、散歩に行きたい、遊んでほしい、といった要求吠えは、要求に応えないことで改善できます。
要求吠えの原因は、決まった時間に散歩をしたりエサをあげることで、犬が時間を覚えていることと、飼い主が応じてしまうことにあります。
このような要求に応じると「吠えると要求がかなった、次も吠えて要求をかなえよう」と、ムダ吠えはどんどんエスカレートしていきます。
よって要求吠えの場合は、一切犬にかまわず無視しましょう。叱ったりしてもいけません。そして静かになったら褒めてから散歩に行ったりエサをあげたりするのです。
このようにすることで要求吠えは改善できます。
また、散歩や食餌はペットの生活スケジュールではなく、飼い主の生活スケジュールにあわせて決まった時間にしないことも有効です。
2.イタズラ防止のためのしつけ
犬のイタズラといえば、家具をかんだりスリッパをかんだりティッシュを散らかしたりですが、このようなイタズラを行う原因としては以下のようなものが考えられます。
- 暇だったから、楽しいから
- ストレス発散のため
- 飼い主にかまってもらうため
- 乳歯が抜ける時期であり、歯がかゆいため
子犬は生後4,5か月から1歳までの間、乳歯が永久歯に生え変わります。
この時期は歯がムズムズしてかゆくて歯を気にするようになるので、よく物を噛みます。この場合は噛むことをやめさせるとかえってストレスになるので、噛んでもいいおもちゃを与え、好きに噛ませてあげましょう。
完全に生え変わると噛むのも収まります。
犬は噛むのが大好きで、好きなにおいのするものはとくによく噛みます。
そのため、おもちゃよりもスリッパや家具など人の使用しているものをかんでしまうことも。
この場合は、スリッパや家具を噛むのを我慢していたら褒めるといった方法や、犬がイタズラできないような環境をつくる、たとえばゴミ箱をあさるイタズラがあれば、イタズラできない形のゴミ箱に変える、置き場所を変えるといった方法が有効です。
イタズラ防止に関しては苦みスプレーやライブカメラなど、さまざまなグッズも販売されているので、利用してみるのもいいかもしれません。
また、飼い主にかまってもらいたくてイタズラをすることもあるので、イタズラをした際は、追いかけたり叱ったりせず、無言でイタズラしている物を取り上げることが重要です。
3.トイレトレーニング
トイレは安心して排せつができるように静かな場所に設置するようにしましょう。トイレの場所が決まったら、まずは決まった場所でトイレすることに慣れてもらいます。まずは、以下のような“トイレに行きそうな”様子を見せたらトイレに誘導してあげます。
- 朝起きたとき
- そわそわして落ち着かない様子
- ぐるぐる歩き回っている様子
- 床の臭いを嗅ぎまわる
このとき、トイレをしているときに「トイレ、トイレ」や「ワンツー、ワンツー」などの声を掛けてあげると、「声が聞こえたらおしっこをする」と覚えるので、外出先などいつもと違う場所で排せつさせる際に困らなくなります。
決まった場所にトイレができたら褒めてあげましょう。だんだん誘導を減らし、一人でできるようになればトイレトレーニング卒業です。
トイレトレーニングを行っている際は、粗相をしてしまっても叱ってはいけないことに注意してください。排せつ行為そのものを叱られたと勘違いしてしまい、病気につながる恐れもあります。
もし粗相してしまった場合はにおいが残らないように片づけて、また1からトイレトレーニングを行います。
犬は、自分のにおいがついた場所を「トイレ」と認識するので、トイレの場所を覚えるまでは、おしっこのにおいをトイレに残しておく、特殊なにおいがついているトイレトレーニング用のトイレシートを使うことも有効です。
また、トイレが小さすぎたり、安心できる場所になかったりすると、トイレにいくことを嫌がってしまうので、トイレの環境に気をつけましょう。
ポメラニアン飼育の環境づくり
・ポメラニアンは室内飼い
ポメラニアンは室内飼いが基本の犬種です。
ポメラニアンに限らず超小型犬は体温調節が得意でなく、体も丈夫ではないため外飼いには向きません。
どうしても室内で飼えない事情がある方は、超小型犬の飼育はあきらめたほうがよさそうです。
犬を室内で飼育する際は、ケガや病気防止のため家の中の環境を整えなければならず、また留守番についても対策が必要です。
・必要な室内環境
チワワやポメラニアンなどの超小型犬は骨や関節が弱いため、ちょっとした段差で足を怪我することがあります。
できるだけ段差をなくし、床で滑らないようにマットやカーペットなどを敷きましょう。
また、ポメラニアンは比較的好奇心旺盛でイタズラをよくするという点を考慮し、電源ケーブルや割れ物も触れないように、隠したほうがいいでしょう。観葉植物には種類によっては触れたり、口にしたりすると体によくないものがあるため、調べておきましょう。
室温調整も必要です。
ポメラニアンは寒さに強いといわれていますが、現代のポメラニアンはトリミングするのが主流ということもあり、個体によっては寒さ対策が必要です。
毛質にも個体差があるので、一緒に生活していく中で特性を見つけて暑さ・寒さ対策をしてあげましょう。
以下のような様子を見せている場合、部屋が暑いまたは寒いと感じているサインである可能性があります。
暑がっているとき | 寒がっているとき |
---|---|
舌を出し荒く呼吸している 冷たいフローリングなどの床に寝そべる 普段より水をたくさん飲む |
体の震え 隅のほうで丸まる 水を飲む量が減る 散歩に行きたがらず、ずっと寝ている |
留守番のトレーニング
ペットを室内で飼っていると、留守番をさせる機会が多いと思いますが、犬はもともと群れで生活する動物なので、急に誰もいなくなると強い不安を感じてしまいます。
ときには留守番時のトラウマから分離不安症になってしまうことも。
とくにポメラニアンは甘えん坊である反面さみしがり屋な一面もあるため、留守番対策は重要です。
・分離不安症とは
分離不安症とは、ペットの犬が飼い主から離れることに強い不安を感じ、その不安が原因でさまざまな問題行動を起こす症状です。
留守番の際イタズラをしてペットシーツがめちゃくちゃになっていたり、飼い主がいない間ずっと泣き続けていたり、いつもはできているトイレがきちんとできていなかったりしたら分離不安症を疑ってください。
ひどい場合だと薬物による治療を必要とする場合もあります。
ペットを留守番させる際は分離不安症にならないよう、子犬のときから留守番トレーニングを行っておく必要があります。
・留守番のトレーニング方法
留守番のトレーニングは次のように、段階的にステップを踏んで行います。
- クレートやケージ、サークルに慣れてもらう
留守番の際は、家を自由に歩き回られると危険なため、クレートやケージ、サークルなどに入ってもらうのが無難です。
ペットにとって居心地のいい場所になるように、普段からサークル内で遊んだり毛布を敷いたりしてお気に入りの場所にしておきましょう。 - 飼い主は必ず帰ってくるということを学習させる
ケージに慣れてもらったら、ケージに入ってもらったまま部屋から出る、一定時間がたったら戻ってくるというのを繰り返します。
これを繰り返すことで「飼い主は部屋を出ても必ず戻ってくる」ということを学習します。
だんだん時間を長くしていけば、留守番への恐怖心・不安も小さくなっていくでしょう。
・外出時の注意点
外出をする直前は留守番がかわいそうだからといって、過度にコミュニケーションをとったり話しかけたりしてはいけません。
興奮した状態から急に誰もいなくなる状況にされる方がかえってかわいそうです。
また、留守番が長時間になる場合は、室温・フード・水などを確認してから外出するようにしましょう。
まとめ
ポメラニアンは室内犬ですが、室内犬には室内犬にあったしつけが必要です。
無駄吠え、イタズラ防止、トイレトレーニングのためのしつけを行い、お互いが快適に過ごせるようになるといいですね。
また、ポメラニアンは甘えん坊で利口な犬種ですが、その一方でイタズラ好きでさみしがり屋な面があります。
留守番でさみしい思いをしないように、事前にしっかり留守番トレーニングを行っておくことが大切です。
ペットは大切な家族の一員、愛情をもって育てましょう。
また、ペットを飼う際は医療費用についても考えなければなりません。
万が一の病気に備えてペット保険への加入をオススメします。
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ニッセンライフ | |
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出典
「人気犬種ランキング2020」(アニコム損害保険株式会社)
https://www.anicom-sompo.co.jp/special/breed/
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