自動車保険はどこで加入する?ディーラー・代理店型・通販型(ダイレクト型)それぞれの特徴を解説
任意の自動車保険は、多くの方が自動車の販売店(ディーラー)や保険の総合代理店で加入します。インターネットなどから加入できる通販型(ダイレクト型)自動車保険に加入する人も増えてきました。
自動車保険は、どこで加入するかによってメリットやデメリット、選択できる商品が異なります。加入経路をよく吟味せずに自動車保険を選んでしまうと、補償に不足が生じたり余分な保険料を払ってしまったりするかもしれません。
本記事では、自動車保険の加入先による違いやメリット、デメリットをわかりやすく解説していきます。
自動車保険の加入方法
自動車保険は、以下から加入できます。
- 自動車販売店(ディーラー)
- 保険の総合代理店
- 通販(インターネット・電話)
ディーラーで加入できる自動車保険は「代理店型」です。インターネットや電話で加入できる自動車保険を「通販型(ダイレクト型)」といいます。保険の総合代理店では、代理店型とダイレクト型の両方から選べる場合があります。
代理店型とダイレクト型の違いは、以下の記事でも解説しておりますので、ぜひご一読ください。
以降は、それぞれで加入するメリットやデメリットを、わかりやすく解説していきます。
ディーラーで自動車保険に加入するメリット・デメリット
ディーラーは、車の販売だけでなく、保険会社の代理店として自動車保険を取り扱っているのが一般的です。自動車を購入する際は、多くの場合でディーラーが代理店となっている保険会社の自動車保険を提案してもらえます。
ディーラーで自動車保険に加入するメリット
ディーラーで自動車保険に加入するメリットは、以下2点です。
- 保険金の請求と車両の修理対応をワンストップで受けられる
- 車や事故の経験が豊富
- メーカー独自のサービスがついていることがある
ネットで自動車保険に加入した場合は、保険会社へ連絡しなければなりません。しかしディーラー経由で自動車保険に加入すると、ディーラーの担当者が保険会社への連絡と同時に修理の手配をしてくれるケースも珍しくありません。
ディーラーは、日頃から車を専門に取り扱っているため、車や交通事故に関する知識が豊富です。自動車保険の補償を選ぶときに、ディーラーの担当者は購入する車や車の使用状況などに応じた補償を提案してくれる可能性があります。
またディーラーで自動車保険に加入すると、独自サービスが付帯される場合があります。たとえば自動車保険に加入すると、バンパーや窓ガラスなどに負ったキズの修理費用を、一定金額までディーラーが負担してくれる場合があるのです。
ディーラーで自動車保険に加入するデメリット
ディーラーで自動車保険に加入するデメリットは、以下2点です。
- 保険料が割高
- 担当者の保険の知識に差がある
ディーラーで加入できる代理店型の自動車保険は、事故発生時の対応が手厚い傾向にあるものの、保険会社から代理店に人件費などの手数料が保険料に含まれているぶん、保険料は高くなります。
またディーラーの担当者は、保険の取り扱いが本業ではありません。そのため店舗や担当者などによって、保険の知識に偏りがある可能性があります。
ディーラーの担当者が自動車保険についてわからないことがある場合、保険会社に連絡して調べてくれるでしょう。しかし問い合わせる内容や保険会社の営業時間によっては、回答がくるまでに数日かかる場合もあります。
保険の総合代理店で自動車保険に加入するメリット・デメリット
保険の総合代理店では、自動車保険や火災保険、生命保険、医療保険など、さまざまな保険商品が取り扱われています。
総合代理店で自動車保険に加入するメリット
総合代理店で自動車保険に加入するメリットは、以下の2点です。
- 保険のプロに相談できる
- 幅広い保険の相談が可能
保険の総合代理店では、保険商品を専門に取り扱うプロに相談して、保険会社や補償内容を決められます。複数の保険会社の商品を比較して選びたい方や、どの補償を選べば分からない・プロと相談して決めたい方は、総合代理店の担当者に相談するのがおすすめです。
また総合代理店では、複数社の自動車保険を取り扱っています。担当者の説明を聞きながら、ご自身にあった自動車保険をじっくり選ぶことができるでしょう。
火災保険や生命保険、医療保険など、自動車保険以外の保険も取り扱っているのが総合代理店の特徴です。結婚・転職・出産など生活背景が変化した方は、総合代理店に相談すると、保険全般の見直しが可能です。
総合代理店で自動車保険に加入するデメリット
総合代理店で自動車保険に加入するデメリットは、以下の2点です。
- 車に関しての知識が少ない可能性がある
- 会社や担当者によって知識に差がある
総合代理店の営業職員は、保険のプロである一方で、自動車のプロではありません。そのため乗っている車の特徴や利用状況に応じた補償の提案は、受けられない可能性があります。
総合代理店では、損害保険や生命保険を幅広く取り扱っており、担当者の知識や経験に差があります。また担当者によって得意な分野が異なっているため、自動車保険の加入を検討しているのであれば、必ず自動車保険に詳しい担当者に相談することが大切です。
インターネットや電話で自動車保険に加入するメリット・デメリット
インターネットや電話で加入できるのは、「通販型(ダイレクト型)」の自動車保険です。ここで、通販型(ダイレクト型)自動車保険に加入するメリットやデメリットを解説します。
インターネットや電話で自動車保険に加入するメリット
ダイレクト型自動車保険に加入するメリットは、以下の2点です。
- 保険料が割安になる可能性がある
- 補償内容や保険料などの比較が容易
通販型(ダイレクト型)自動車保険は、代理店型自動車保険のように代理店に支払う手数料や人件費が抑えられているぶん、保険料が割安に設定されています。
また、通販型(ダイレクト型)自動車保険は、年齢や年間走行距離などに応じて保険料が決まるのが一般的です。たとえば、交通事故を起こす確率が低い40代・50代の方や、年間の走行距離が少ない方などです。
また通販型(ダイレクト型)自動車保険は、インターネットの見積もりサービスに対応しているのが一般的です。インターネットに必要な情報を入力するだけで、保険料の見積もりができるため、自分で保険料が算出できます。
以上の点から、ご自身で自動車保険や調べることができ、少しでも保険料を抑えたい方は、通販型(ダイレクト型)の自動車保険を中心に検討すると良いでしょう。
インターネットや電話で自動車保険に加入するデメリット
通販型(ダイレクト型)自動車保険に加入するデメリットは、以下の2点です。
- 補償選びや加入手続きをすべて自分自身で行う必要がある
- 担当者が毎回変わる可能性がある
通販型(ダイレクト型)自動車保険では、補償について不明点や疑問点があれば、保険会社に電話やチャットなどで質問ができます。しかし、個人の生活背景や車の利用状況に応じた補償プランまでは提案してもらえません。
また通販型(ダイレクト型)自動車保険に加入しても、専任の担当者は付きません。ディーラーで自動車保険に加入した場合とは異なり、事故が発生したときに日頃から付き合いのある担当者に相談できないのです。
自動車保険にあまり詳しくない方や、自動車保険について調べる時間があまり取れない方は、ディーラーや総合代理店に相談すると良いでしょう。
複数の自動車保険を比較して加入することが大切
自動車保険は、保険料の安さだけで選ばないことが大切です。たとえば、自動車保険の保険料を少しでも安くしたいという思いから、補償を吟味せずに通販型(ダイレクト型)自動車保険に加入してしまうと、交通事故が発生したときに充分な補償やサービスを受けられないかもしれません。
自動車事故が発生すると、事故相手から1億円以上の損害賠償を請求されるケースがあります。またご自身や同乗していた人がケガや後遺障害を負ってしまい、数百万円の治療費がかかる場合もあるのです。
一方で、商品内容をよく理解せずに、ディーラーや総合代理店の提案されたとおりに自動車保険に加入し、余分な保険料を支払ってしまうケースもあります
自動車保険に加入する際は、ご自身の車の利用状況に合った補償を考えたうえで、複数社の商品を比較して選ぶことが大切です。
この記事を書いた人 | |
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品木彰 | |
保険、不動産、住宅ローンなどの記事を執筆するフリーランスライター 大手生命保険会社、人材会社の勤務を経て2019年1月にして独立。記名記事多数。 保有資格:2級FP技能士 |