軽自動車の維持費を比較・解説します
「軽自動車」
安くて運転がしやすいということで、主婦、学生、お年寄りの方に人気ですよね。
今後、購入を検討されている方も
購入するにあたって、その維持費も気になるところ。
「維持費用はどれくらいかかるの」
「普通車と比較して、維持費は安いの」
このような疑問にお答えするため、軽自動車の維持費について解説していきます。
具体的に維持費とは何を指すの?
車両本体を購入するだけでは継続的に車に乗ることはできません。車に乗るには、車検代やガソリン代など維持費用がかかります。
維持費として、次の4つが挙げられます。
主な維持費 | 役割 |
---|---|
税金 | 車を運転する人全員が支払う義務がある費用。 |
メンテナンス費用 | 車に安全に乗るための費用。 |
保険料 | 事故のリスクにそなえるための費用。 |
ガソリン代 | 運転するための費用。 |
1.税金
自動車を所有する方に税金が課せられます。
- 軽自動車税 / 自動車税
- 自動車重量税
軽自動車税 / 自動車税
- 軽自動車税:排気量660CC以下
- 自動車税:排気量661CC以上
それぞれの税額は以下の通りです。
区分 | 自動車税(普通車) | |
---|---|---|
排気量 | 税額 | |
軽自動車 | 660CC以下 | 10,800円 |
普通車 | 1,000CC以下 | 25,000円 |
1,000CC超1,500CC以下 | 30,500円 | |
1,500CC超2,000CC以下 | 36,000円 | |
2,000CC超2,500CC以下 | 43,500円 | |
2,500CC超3,000CC以下 | 50,000円 | |
~ | ~ | |
6,000CC超 | 110,000円 |
軽自動車(660CC以下)は一律で10,800円です。
普通自動車で最も排気量が少ない場合(1,000CC以下)、25,000円です。
つまり、軽自動車の方が、最低でも14,200円安いことになります。
なお、2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用の乗用車については、減税措置が実施されています。
排気量により異なりますが、最大で毎年4,500円減税されます。
自動車重量税
自動車重量税は、軽自動車の場合、税額は一律です。
普通車の場合、重量が大きくなるにつれて、税額が高くなります。
軽自動車と普通車(0.5t)の自動車重量税の比較です。
新車購入時は「3年分」、4年目以降は「2年分」の税額となっています。
期間/車種 | 軽自動車 | 普通車 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
~0.5t以下 | ~1.0t以下 | ~1.5t以下 | ~2.0t以下 | ~2.5t以下 | ~3.0t以下 | ||
1年~3年目(新車購入時) | 9,900円 | 12,300円 | 24,600円 | 36,900円 | 49,200円 | 61,500円 | 73,800円 |
4年~13年目 | 6,600円 | 8,200円 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 | 41,000円 | 49,200円 |
14年~18年目 | 8,200円 | 11,400円 | 22,800円 | 34,200円 | 45,600円 | 57,000円 | 68,400円 |
19年目~ | 8,800円 | 12,600円 | 25,200円 | 37,800円 | 50,400円 | 63,000円 | 75,600円 |
※各車両、エコカー減税は適用していないものとする。 |
いずれの期間においても、軽自動車の方が、普通車より、自動車重量税の負担が軽いことがわかります。
2.メンテナンス費用
車にかかる費用で、税金と並んで重要なのが、車検などメンテナンス費用です。
ここではメンテナンス費用を比較します。
車検代
車検は軽自動車、普通車ともに新車登録から初回の検査は3年間で、以後は2年ごとの更新することになります。
車検費用は「法定費用」と「車検基本料」にわけることができます。
法定費用は先の自動車重量税と自賠責保険と印紙代です。
軽自動車と普通車の法定費用の比較です。
法定費用 | 軽自動車 | 普通車 | 差額 |
---|---|---|---|
自動車重量税 | 6,600円 | 8,200円 | 1,600円 |
自賠責保険(37か月) | 35,610円 | 36,780円 | 1,170円 |
印紙代 | 1,100円 | 1,100円 | ― |
合計 | 43,310円 | 46,080円 | 2,770円 |
※エコカー減税適用外、初回検査実施後(4年目~13年目) |
自動車重量税、自賠責保険ともに、軽自動車の方が安いことがわかります。
印紙代は同じです。
一方、車検基本料は車検の点検や整備内容により、金額は異なります。
軽自動車は、普通車に比べて、車体が小さいため、交換部品や点検箇所が少ないので、車検基本料も安くなる傾向にあります。
日々のメンテナンス
車を長く乗り続けるため、メンテナンスは必要不可欠です。
車検のように義務付けられてはいませんが、メンテナンスの不備が故障や事故につながる可能性があるため、定期的なメンテナンスをオススメします。
たとえば、沖縄や海沿いに住まれている方は、「塩害」対策が必要です。
海からの潮風によって、塩が車の傷などに付着すると、そこから錆が広がり、車が故障することがあります。
軽自動車、普通車に関わらず、メンテナンス費用は、お車の使用状況により、異なってくるでしょう。
3.保険料
車の保険は2種類あります。
加入が義務付けられている「自動車損害賠償責任保険(以下、自賠責保険)」と任意の「自動車保険」です。
自賠責保険
自賠責保険は軽自動車、普通車それぞれ、保険料が法律で定められています。
契約期間/車種 | 軽自動車 (検査対象車) |
自家用乗用自動車 | 単年契約と複数年契約の差額 |
---|---|---|---|
12か月 | 13,210円 | 13,410円 | ― |
13か月 | 13,870円 | 14,090円 | ― |
24か月 | 21,140円 | 21,550円 | 軽:5,280円オトク 普:5,270円オトク |
25か月 | 21,780円 | 22,210円 | ― |
36か月 | 28,910円 | 29,520円 | 軽:10,720円オトク 普:10,710円オトク |
37か月 | 29,550円 | 30,170円 | ― |
※ 令和2年4月1日以降~令和3年3月31日まで 本土(除沖縄県) |
保険料を比較すると、契約期間37か月の場合、軽自動車が29,550円、普通車が30,170円です。軽自動車の方が620円安いことがわかります。
なお、軽自動車、普通車にかかわらずいえることですが、長期契約にすると、保険料は割安になります。
単年契約と複数年契約の保険料を比較したのが以下の算式です。
維持費を節約したいのであれば、長期契約がオトクだと言えます。
ただし、車検のある車は保険期間を自由に選べません。
自賠責の保険期間は下記2点を満たした上で設定する必要があります。
①車検期間をカバーする保険期間であること。
②契約締結日(申込日)より起算して保険期間の終期が引受可能期間内であること(先日付規定)。
長期契約はオトクだと言えますが、保険期間にも注意しましょう。
自動車保険(任意保険)
任意の自動車保険の保険料は、保険会社によって異なります。
契約条件を同一にして、複数の保険会社で見積りを行いました。車両価格が140万円の軽自動車と、200万円の普通車の保険料の平均は次のとおりです。
区分 | 保険料 |
---|---|
軽自動車 | 約9万7,000円~11万3,000円 |
普通車 | 約10万3,000円~12万4,000円 |
●契約条件
※軽自動車(自家用軽四輪乗用車)
記名被保険者:個人/契約期間:2021年1月15日から1年間/記名被保険者年齢:27歳/払込方法:一時払/対物賠償の自己負担額:なし/等級:6等級/型式:MH55S/初年度登録年月:平成29年7月(料率クラス/車両3対人2対物2傷害1) /免許証の色:ブルー/使用目的:日常・レジャー使用/ノンフリート契約:純新規/事故有価係数適用期間0年/年齢条件:26歳以上補償/運転者の限定:本人のみ/対人賠償:無制限/対物賠償:無制限/対物超過修理費用補償/人身傷害:3000万(車内+車外)/車両保険:140万(事故1回目免責5万、事故2回目以降10万円)/弁護士費用補償特約
※普通車(自家用普通乗用車) 記名被保険者:個人/契約期間:2021年1月15日から1年間/記名被保険者年齢:27歳/払込方法:一時払/対物賠償の自己負担額:なし/等級:6等級/型式:ZVW55/初年度登録年月:平成28年9月(料率クラス/車両8対人3対物6傷害5)/免許証の色:ブルー/使用目的:日常・レジャー使用/ノンフリート契約:純新規/事故有価係数適用期間0年/年齢条件:26歳以上補償/運転者の限定:本人のみ/対人賠償:無制限/対物賠償:無制限/対物超過修理費用補償/人身傷害:3000万(車内+車外)/車両保険:200万(事故1回目免責5万、事故2回目以降10万円)/弁護士費用補償特約 |
見積りの結果、軽自動車の方が保険料を節約できることがわかりました。ただし料率クラスで保険料が決まるため、全てのケースに当てはまるわけではありません。また学生など年齢が若い方は、保険の加入年数が短く、等級が低いため、保険料が高くなる傾向にあります。
4.ガソリン代
ガソリンは車を走らせていれば常に消費するものなので、維持費の中でも負担を実感するものだと思います。
ガソリン代は車の燃費性能の影響をダイレクトに受けるので、一般的に燃費性能が良いとされる軽自動車のほうが安くなる傾向にあります。
しかし、近年では軽自動車、普通車にかかわらず燃費性能がよい「ハイブリッド車」と呼ばれる車が登場してきています。
車業界全体として、車の燃費性能がどんどん上がってきているので、ガソリンにかかるお金は次第に安くなっていくのではないでしょうか。
まとめ
ここで記事の内容のおさらいをします。
自動車を維持するために必要な費用は、大きく分けて、税金、メンテナンス費用、保険料、ガソリン代の4本柱です。
●税金
「軽自動車税 / 自動車税」と「自動車重量税」。
いずれも軽自動車の方が、税額が少ない。
●メンテナンス費用
- 車検代(=「法定費用」+「車検基本料金」)車検代の内訳 | |
---|---|
法定費用 | 軽自動車の方が安い |
車検基本料金 | 軽自動車の方が安い*点検個所や交換部品の多さにより高くなる場合あり |
●保険
- 「自賠責保険」と「任意の自働車保険」
自動車保険 | |
---|---|
自賠責保険 | 軽自動車の方が安い *長期契約で保険料が割引される |
任意の自動車保険 | 軽自動車の方が安い*車種により、高くなる可能性あり |
●ガソリン代
燃費の良い軽自動車の方が安い傾向にある。
ただし、燃費の良い「ハイブリッド車」の登場で、車全体の燃費性能が向上しています。
以上のように、一般的に軽自動車の方が、維持費を安くおさえることができるといえます。
軽自動車を検討されている方、
軽自動車の維持費について理解を深めることができたでしょうか。
軽自動車の購入を検討されている方にとって少しでもお役にたてれば幸いです。
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この記事を書いた人 | |
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ニッセンライフ | |
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