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手荷物紛失のロストバゲージ補償とは。航空会社や保険、カードの補償内容まとめ

  • 更新日:

    (公開日:2020/12/07)

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手荷物紛失のロストバゲージ補償とは。航空会社や保険、カードの補償内容まとめ

「旅先でロストバゲージに遭遇したとき、どんな補償があるの?」

旅行中でも旅行前でも、空港で大切な荷物を紛失する“ロストバゲージ”に不安がある方は多いですよね。

結論から言うと、空港でロストバゲージに遭遇した際は、航空会社から一定の補償を受けられます。
また加入している海外旅行保険やクレジットカードによっては、より幅広い手荷物補償を受けられる可能性がありますよ。

当記事では航空会社や保険・クレジットカードのロストバゲージ補償について、内容や適用条件をわかりやすく解説していきます。
ロストバゲージの予防策や適切な備えについても、ご案内します。

「ロストバゲージの補償を知りたい」方、「ロストバゲージ被害が心配」という方は、参考になさってください。

航空会社や保険などのロストバゲージ補償内容

空港で預けた手荷物が紛失する「ロストバゲージ(Lost baggage)」に遭遇したら、航空会社や加入中の保険から補償を受けられます。

ただロストバゲージの定義や補償内容は、補償する会社によって大きく異なるので気をつけましょう。
たとえば航空会社では「手荷物の完全な紛失」がロストバゲージ補償の条件です。
一方で海外旅行保険やクレジットカードは「手荷物の遅延」でも補償を受けられる可能性があり、補償内容はそれぞれ異なります。

ここでは航空会社・海外旅行保険・クレジットカードの補償内容と適用条件を、わかりやすく解説していきましょう。

航空会社の補償内容

航空会社による補償は各社の規定「国際運送約款」に明記されており、国際航空運送にかかわる2つの国際条約「ワルソー条約」と「モントリオール条約」のどちらかが適用されます。
これらの条約では航空運送人(航空会社等)の損害賠償の範囲や損害賠償の上限額等が規定されており、出発国と到着地がいずれもモントリオール条約の締結国であればモントリオール条約が適用、それ以外はワルソー条約が適用されます。なお、日本はモントリオール条約の締結国なので、日本発着便を利用する場合はモントリオール条約が適用されます。
例えば条約が規定するロストバゲージの場合の補償は以下のようになっています。

<各条約によるロストバゲージの補償内容(損害賠償の上限額)>

  • モントリオール条約の場合 旅客1人あたり1,288SDR*(約25万3,330円)限度に補償(受託・手荷物合計)
  • ワルソー条約の場合 受託手荷物1kgあたり17SDR*(約3,340円)限度に補償
*2024年8月21日時点のレートにより概算値を算出(1SDR:特別引出権=196.6924円)

2024年8月現在、日本の大手航空会社である日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の場合、手荷物の補償限度額は条約と同額となっています。したがって100万円もする高級品をスーツケースに入れて紛失しても、航空会社からの賠償金は航空会社の規定額までとなるので、大切なものは機内に持ち込むなどして、安易に預けないことも大切です。

航空会社の補償適用条件。手荷物遅延は対象外?

航空会社のロストバゲージ補償が適用されるのは、最終的に預けた手荷物が出てこず、「完全な紛失」と見なされた場合です。

紛失認定される際の条件は航空会社によって異なりますが、おおむね30日程度で紛失認定され、賠償金が支払われるのが一般的です。

<【参考】ANAのロストバゲージ(紛失)の取り扱い>

  • 申告期限
    手荷物を受け取ることが出来たであろう日(紛失の場合)の翌日から21日以内にご申告いただく必要がございます。
  • 賠償
    捜索後も残念ながら手荷物の発見に至らなかった場合、ご到着後30日~45日で弊社国際運送約款に沿って賠償いたします。
ANAホームページ(https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/baggage/international/accident/)より一部抜粋

上記ANAのように多くの航空会社では、ロストバゲージの際にまず手荷物の捜索を行います。
捜索しても期間内に手荷物が見つらなければロストバゲージとして、期間内に見つかればディレイドバゲージ(手荷物遅延)として処理されます。

つまり、手荷物がなんらかの理由で数日間見つからなくても、すぐにロストバゲージ補償を受けられるわけではないのです。
旅行中にすぐ補償金を手にできるわけではないので、気をつけましょう。

ただし航空会社によってはディレイドバゲージでも、日用品の購入費用などを補償してくれるケースがあります。
ディレイドバゲージの補償有無・補償内容は航空会社によって違います。

ロストバゲージ補償が気になっている方は、ディレイドバゲージの補償対応もあわせて航空会社に確認しておくと安心ですよ。

海外旅行保険の補償内容・適用条件

加入している海外旅行保険の内容によっては、ロストバゲージ(紛失)だけではなく、ディレイドバゲージ(遅延)時にも補償を受けられる可能性があります。

なお航空会社では「空港での手荷物紛失=ロストバゲージ」として補償していますが、海外旅行保険の場合は補償内容が異なるので要注意です。

海外旅行保険で受けられる手荷物補償は、以下のとおりです。

<一般的な海外旅行保険の手荷物補償>

  • 携行品損害補償特約
    偶発的な事故や盗難などにより、手荷物が破損する・紛失するなどの損失を受けたときの補償。 空港でのロストバゲージを含め、空港内・外での盗難や破損も補償される。
  • 航空機寄託手荷物遅延等費用補償特約
    航空機搭乗時に航空会社に預けた手荷物の到着が所定の時間を超えて遅れた場合に必要な衣類・生活必需品、やむを得ず必要となった身の回り品(購入した衣類・生活必需品を持ち運ぶためのかばん等)の費用を補償。
    ロストバゲージ、ディレイドバゲージが補償される。
※保険会社・商品により、補償名や補償内容は異なる

ロストバゲージに遭った場合、加入する海外旅行保険にこれらの特約が付加されていれば補償は受けられますが、適用条件や補償内容が異なります。
それぞれの一般的な補償内容や保険の適用条件について、以下にまとめました。

<①携行品損害補償特約の一般的な補償内容・適用条件>
適用条件 旅行期間中(保険の適用期間中)に偶発的な事故に遭遇し、手荷物が紛失・破損するなどの損害を受けた ※旅先での単なる置き忘れなどによる紛失の場合は、補償対象外になることが多い
補償内容 持ち物1つ(1個、1組または1対)あたり10万円(乗車券等である場合は合計して5万円)を限度として、その時点での価格(時価)、または修理費用のいずれか低い額が保険金として支払われる。 ただし、支払われる保険金は、保険期間を通じて契約時に定めた携行品損害保険金額が限度
<②航空機寄託手荷物遅延等費用補償特約の一般的な補償内容・適用条件>
適用条件 空港で預けた手荷物が6時間以内に届かず、目的地に到着してから96時間以内に生活必需品などを購入した場合
補償内容 1回の事故につき10万円を限度として、旅行中に着用する衣類(下着、寝間着等、必要不可欠な衣類に限る)・生活必需品(洗面用具、かみそり、くし等)の費用および、旅行中にやむを得ず必要となった身の回り品(購入した衣類や生活必需品を持ち運ぶためのかばん等)の購入費用が保険金として支払われる。 なお、1回の事故につき3万円等、定額払とする商品もある。

※いずれも保険会社や商品により補償内容・適用条件は異なる

海外旅行保険では、ロストバゲージに限らず、旅行中の身の回り品の紛失・盗難や、ディレイドバゲージの補償もあるのが特徴です。

クレジットカードに付帯している海外旅行保険

クレジットカードには、特典・サービスとして海外旅行保険がついていることがあります(以降、クレジットカード付帯保険といいます)。利用条件を満たせば保険料を支払うことなく補償を受けられますが、一般的にカードの種類やランクによって補償内容に違いがあるほか、任意で加入する海外旅行保険と比べると補償額が少ない、希望する補償がついていない場合があります。

例えば、携行品損害補償は補償額の違いはありますが、どのクレジットカード付帯保険でもついていることが一般的です。一方、航空機寄託手荷物に関する補償は上位ランクのみとするクレジットカードが多いようです。また、補償が、任意で加入する海外旅行保険と補償内容が少し異なります。

<クレジットカード付帯保険のロストバゲージ・ディレイドバゲージに対する補償の例>

  • 寄託手荷物遅延費用
    到着後6時間以内に手荷物が届かなかった場合で、到着後48時間以内の旅行行程中に衣類・生活必需品を購入した場合に、購入費用を補償(保険金額の上限あり)
  • 寄託手荷物紛失費用
    到着後48時間以内に手荷物が届かなかった場合を紛失とみなし、到着後96時間以内の旅行行程中に衣類・生活必需品を購入した場合に、購入費用を補償(保険金額の上限あり) 寄託手荷物遅延費用保険金が支払われる場合、寄託手荷物遅延費用保険金として支払われた保険金を超える金額について補償される。
※クレジットカード会社により補償の名称や補償内容は異なる。 保険金額の上限は寄託手荷物遅延費用で2万円程度、寄託手荷物紛失費用で4~6万円程度のようです。

クレジットカードには、保険のほかにも旅行中にトラブルにあったときに相談に乗ってくれるサポートデスクなどのサービスもあります。一度持っているクレジットカード付帯保険や受けられるサービスの内容を確認しておきましょう。

ロストバゲージ補償に備えるなら海外旅行保険

ロストバゲージ補償に備えるなら海外旅行保険

旅先でのロストバゲージ、ディレイドバゲージには、携行品損害補償、寄託手荷物遅延費用補償、寄託手荷物紛失費用補償で備えることができます。そこでおすすめなのが、任意で加入する海外旅行保険です。
海外旅行保険であれば

  • 搭乗時に預けた手荷物がなくなり、旅行中に必要な衣服などを購入したとき
  • 空港以外で手荷物が盗難にあったとき
  • カメラを落としてしまい壊れてしまったとき

こんなときに補償が受けられるので、ロストバゲージ、ディレイドバゲージはもちろん、旅行中の荷物の盗難・破損まで幅広いケースに備えられます。

※いずれの補償も「航空機寄託手荷物遅延等費用補償特約」や「携行品損害補償特約」を付けている場合に限る

ロストバゲージを防ぐためにできること

ロストバゲージを防ぐためにできること

旅先でロストバゲージに遭遇した際は、航空会社や保険による補償を受けられます。
とはいえ手荷物をなくしたら、せっかくの旅行なのに気分は台無しですよね。
補償を受けるための手続きで大切な旅行時間を消耗してしまうのも辛いですし、できることならロストバゲージ自体に遭遇したくないものです。

ここではロストバゲージのおもな原因と予防策について解説していきます。
「ロストバゲージが不安」という方は、しっかり読むようにしておいてください。

ロストバゲージの原因と予防策

ロストバゲージの原因については、下記のいくつかの可能性が考えられます。

<ロストバゲージのおもな原因>

  • 手荷物チェックカウンターでのタグ付け忘れや間違い
  • 仕分けやトランジットでの積み込み忘れや降ろし忘れ
  • 他の乗客が間違えて持っていってしまう・もしくは盗難

いずれのケースも、自分のコントロール外で起こっていることがわかります。
したがって、自分でできることはミスを誘発しないための予防しかありません。以下に具体的な予防策の例を挙げておきます。

<ロストバゲージの予防策>

  • 手荷物を預けるときは発行タグを見て、行き先など間違いがないか確認しておく
  • 手荷物の目立つ場所に、必ずネームタグをつけておく
  • 手荷物についている過去のタグは外しておく
ロストバゲージを防ぐには、手荷物を見てすぐに誰のものかわかるよう、明確にしておくことが大切です。 また紛失した際にそなえ、ネームタグには旅先でもつながる連絡先を書いておきましょう。

まとめ

手荷物紛失のロストバゲージ補償とは。航空会社や保険、カードの補償内容まとめ

旅先でロストバゲージに遭遇した場合には、航空会社による補償があります。

ただし航空会社での補償は、手荷物が完全に紛失したと認められた場合のみです。
手荷物の遅延だけでは航空会社からの補償が何もない可能性もあるので、気をつけてください。

旅先でのロストバゲージ被害で困るのは、旅行中に着る衣服や最低限必要な日用品などを、再度購入しなければならないことです。

そのため旅先での手荷物トラブルに備えるのなら、ロストバゲージに限らず手荷物の遅延や盗難など、幅広い補償のある海外旅行保険がオススメです。

クレジットカードに付帯している海外旅行保険を利用する場合は、保険が適用される条件と補償内容を必ず確認しましょう。
クレジットカード付帯保険だけでは補償が不足する場合には、任意加入の海外旅行保険を検討しましょう。

なお、任意加入の海外旅行保険とクレジットカード付帯保険を併用する際、傷害死亡保険金、傷害後遺障害保険金等についてはそれぞれの保険金の合計額が支払われますが、その他の保険金(治療・救援費用、賠償責任、携行品損害等)については実際にかかった費用や損害額が補償限度額となり、それぞれの保険から二重に支払われることはありません。クレジットカード付帯保険よりも補償を大きくしたい場合は、海外旅行保険の補償額を増やして加入しましょう。

海外旅行保険には補償はもちろんロストバゲージなど旅先での事故や困りごとに頼れるサポートデスクなどのサービスもありますので、しっかり備えて旅行を楽しんでくださいね。

⇒海外旅行保険の一覧、詳細はこちら

この記事を書いた人
ニッセンライフニッセンライフ
Will Naviを運営する株式会社ニッセンライフは通販でおなじみのニッセンのグループ企業です。 40年以上の豊富な経験と実績をもつ保険代理店です。 ニッセンライフの経験豊富な専門のアドバイザーが、保険でお悩みの点や疑問点などお客様の個々の状況に合わせてサポートいたします。
出典

「国際運送約款(旅客及び手荷物)」(日本航空株式会社)※2022年9月20日発効
https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/carriage/220920/

「国際運用約款(旅客及び手荷物)」(全日本空輸株式会社)※2024年2月9日からの適用
https://www.ana.co.jp/ja/jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/

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