損害賠償責任を負ったときの保険手続き

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損害賠償責任を負ったときの保険手続き

思いがけない事故で他人に損害をあたえ、賠償が必要になってしまったら、どんな保険手続きが必要なのでしょうか。

個人賠償責任保険に加入していた場合の、保険金請求手続きについてみてみましょう。
また個人賠償責任特約がついている保険はいろいろあるため、どの保険に加入しているのか、もしくは重複して加入していないかなど、確認することが大切です。

損害賠償責任が発生したら

もしも賠償事故が発生した場合、まずは保険会社に連絡を入れます。
一般的な流れは次のとおりです。
※保険会社や保険事故によって異なります。

  • ①保険会社に事故の連絡
  • ②必要書類の確認
  • ③示談交渉、示談に関するアドバイスを受ける
  • ④示談の締結
  • ⑤保険会社に必要書類の提出
  • ⑥保険金支払い
  • ⑦相手方へ賠償金の支払い

ただし一言に請求手続きといっても、実はいろんな保険についているのが個人賠償責任保険。
単独の保険ではなく、火災保険や自動車保険などの特約として加入していることがほとんどです。

まずはどの保険に補償がついているのか確認することが重要となります。

賠償責任を負ったら、どこの保険会社に請求する?


個人賠償責任保険がついている主な保険は

  • 自動車保険
  • 火災保険
  • 傷害保険
  • 自転車保険
  • クレジットカード付帯の保険

などがあります。


加入している保険に特約としてついているかを確認しましょう。
個人賠償責任特約が付いている保険で、請求の手続きをすることになります。

相手にケガをさせてしまったときは個人賠償責任保険で補償されますが、自分がケガをしたときは加入している傷害保険で手続きします。

もし、自動車保険や火災保険など複数の保険に個人賠償責任特約が付いていた場合は、保険の見直しが必要です。
複数に加入していても、それぞれから保険金は受け取れずに按分されるため、保険料がムダとなるからです。

また保険の確認をする際は、補償内容や補償の対象となる範囲についても確認しましょう。

保険によって補償内容や範囲が異なる

個人賠償責任特約をつけている保険によって、補償内容や補償対象となる範囲が異なることもあります。
請求したのに対象外だった・・・ということを避けるため、しっかり確認しましょう。

確認ポイントはつぎの3点です。

①補償範囲

基本的に個人賠償責任保険は、家族全員を補償することが一般的です。
同居の親族だけでなく、別居の未婚の子供も対象になります。
ただし結婚歴がある別居の子や別居している認知症の親、同性パートナーなどを補償対象とするかは、保険会社によって異なります。
別居の子が社会人として別生計の場合でも、補償範囲に含まれることも。
また海外での事故を補償の対象とするかどうかも、保険会社によって異なります。

②示談交渉サービスはついているか

相手との示談交渉を行ってくれるサービスが、保険についているかを確認しましょう。
すべて自分で交渉したり、自分で弁護士をみつけたりするのは大変なもの。
しかも保険会社の了承を得ずに勝手に話を進めてしまうと、保険金が支払われないこともあるのです。

もし示談交渉サービスがついているなら、話し合いもスムーズに進められます。
加入している保険に示談交渉サービスがついているかどうか、ぜひ確認してください。

③被保険者は誰か

被保険者が変われば、補償される範囲も変わる可能性があります。
具体的な例として、A君の家族を見てみましょう。
A君には祖父・父・母・別居の兄(大学生)がいます。

もし保険の被保険者がA君の父なら、別居の兄も補償の対象です。
しかし祖父が被保険者なら、別居の兄は補償の対象外になります。
誰が被保険者なのかも重要ですね。

加入している個人賠償責任保険を確認する場合は、以上3つのチェックポイントに気を付けてください。

個人賠償責任保険の補償対象外


一見補償されそうに思えても、実は対象外というケースもあります。
請求してもいいかわからないときは、一度保険会社に確認してみましょう。

ここでは対象外となる一般的な例をあげてみます。

  • レストランで仕事中に料理を落として客の服を汚した
  • 故意に事故を起こした
  • 友人から借りたカメラを落として壊した
  • 遊んでいた子供が、同居の祖母をケガさせた
  • 自動車での事故で損害を与えた

基本的に、仕事中に起きた事故や他人から借りたものを壊した事故、同居の親族への賠償事故などは補償の対象外です。
また国外での事故や自動車による事故は、別の保険の対象となります。

個人賠償責任保険の補償内容は、今一度確認しておきたいですね。
※保険会社・保険商品によって補償対象になる場合があります。

個人賠償責任が発生したら、すみやかに保険会社に連絡を

日常生活上の賠償責任を補償する個人賠償責任保険は、一家に必須の保険といえます。
万が一損害賠償が発生した場合は、すみやかに保険会社に連絡しましょう。

また定期的な見直しは必須です。
どの損害保険に個人賠償責任保険がついているかを確認し、補償の対象や範囲もきちんとチェックしましょう。

  • □ どの保険(自動車保険や火災保険など)の特約としてついているか
  • □ 保険の重複はないか
  • □ 補償範囲は家族全員カバーできているか
  • □ 示談交渉サービスはついているか

事故が起こったときはすぐに保険会社に連絡できるよう、電話番号も常にわかるようにしておきたいですね。

執筆者:太田

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この記事を監修した人
條 武尊條 武尊

FPナビを中心にライフプラン相談などを行っており、長く寄り添える情報提供を心がけている。
一児のパパで、人当たりがやわらかく話しやすいと評判。

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