【保険編】引っ越しで忘れがちな手続きあれこれ

引っ越しをするとき、準備が大変なのはもちろん、公共料金をはじめとした各種手続きに対しても住所変更などの手続きに追われた経験がある方も多いですよね。
そんなとき、なにかと忘れがちなのが保険に関する手続きです。
そこで今回は引っ越しにともなう手続きのうち、保険に関するものをピックアップしてみました。
個々の状況によって必要な手続きが変わるケースもありますが、少しでも参考になれば幸いです。
生命保険
加入している生命保険がある場合、引っ越しに伴い住所が変更となった旨を伝える必要があります。
住所変更を怠ってしまうと重要書類が届かなくなるだけでなく、給付の手続きをした際に支払いがスムーズにいかなくなる恐れがあります。
手続き自体はインターネットなどで簡単に済ませることもできますが、いずれの場合も保険証券の番号および新しい住所が必要となるため、事前に準備しておきましょう。
また、引っ越しの理由が結婚や離婚による場合、名義人や受取人の変更もあわせて済ませるようにして下さい。
火災保険
火災保険の手続きは、引っ越し元および先の居住形態によって異なるので注意が必要です。
なお、火災保険の保険料を一括して支払っている場合、契約期間に応じた未経過料率によって解約返戻金が払い戻しされます。
未経過料率とは、解約保険料を算出するときに契約内容の変更の前後の差額に乗じる係数のことです。
ただし、多くの場合、日割り計算ではなく1か月単位で計算されるので、契約期間の残りが1か月未満のときは、解約返戻金が出ないことがあります。
それでは、パターン別の流れについて見ていきましょう。
賃貸から賃貸の場合
現在契約している火災保険の、異動手続きを行うことで契約の継続ができます。
もちろん、契約を一旦解約して他の火災保険に乗り換えることも可能です。
物件によっては管理会社が指定する火災保険への加入を義務付けしている場合もあるので、事前に賃貸契約書の内容にしっかりと目を通しておくようにしましょう。
賃貸から持ち家の場合
賃貸から持ち家へと引っ越しをする場合、賃貸のときに加入していた火災保険を継続することはできないため、火災保険を解約して新たに入りなおすことになります。
なぜなら、賃貸用と持ち家用では火災保険の補償内容が異なるからです。
たとえば賃貸の場合、建物の補償は大家さんが備えていますが、持ち家の場合は自分で建物の補償を備える必要があります。
また、賃貸で必要な借家人賠償責任保険は大家さんに対する賠償責任の補償なので、持ち家の場合は不要です。
持ち家から賃貸の場合
持ち家から賃貸に引っ越すにあたり、引っ越し元の持ち家を売却・解体するのであれば、加入中の火災保険を解約して新たに入りなおす必要があります。
一方、引っ越し元の持ち家を所有したまま新たな物件を借りるのであれば、今現在の契約はそのままに引っ越し先の物件を対象とした火災保険に別途加入しなければなりません。
ただし、引っ越し元の家が空き家となる場合は少々複雑です。
空き家になる場合も万が一のリスクに備えて火災保険への加入が必要となりますが、空き家が「住宅物件」か「一般物件」のどちらに該当するかで保険料等が異なることに加え、その判定基準が保険会社によって異なります。
そのため、引っ越し元の家が空き家となる場合には火災保険への加入を自己判断せず、保険会社の判断を仰ぐようにしましょう。
持ち家から持ち家の場合
引っ越し元の持ち家を引っ越し後も所有し続けている場合には、上記と同様の手続きが必要となります。
引っ越し元の持ち家を売却して、新たに持ち家を購入する場合には現在加入している火災保険の異動手続き、または、現在契約中の火災保険を解約して新たに入りなおします。
異動の場合、建物の構造や延べ床面積などが変わると保険料も変わるので、保険料の再計算が行われます。
再計算後、不足分があるときは振込、余剰分があるときは返還されます。
自動車保険
引っ越しで住所が変わった場合、自動車保険の住所変更手続きが必要です。
万が一事故などのトラブルが生じた際、実際に住んでいる場所と保険会社で把握している住所に相違があるとスムーズに対応してもらえず、事故対応そのものが遅れる可能性があります。
また住所が変わったにもかかわらず、契約内容の変更を行わないまま放置すると通知義務違反に該当し、補償が受けられないこともあるので、必ず住所変更の手続きは行うようにしましょう。
新住所によっては保険料が変わることも
自動車保険では、保険料算出の際に記名被保険者の登録内容も基準として用いられます。
記名被保険者は保険の対象となる車を主に運転する人を指し、保険証券などにも氏名が記載されます。
そして、自動車保険を扱う会社の中には「都道府県」によって事故リスクの割合が異なると考え、住んでいる住所によって保険料に差を設けているケースがあります。
そのため、保険証券に記載された住所によって、支払うべき自動車保険の金額が左右される可能性があることを覚えておきましょう。
変更手続きの流れ
自動車保険の住所変更手続きは、加入している保険会社のホームページから行えることがほとんどです。
昨今では契約者専用のページを設けているところも多く、ネット環境さえあれば簡単に手続きできるでしょう。
なお、インターネットでの手続きが難しい場合には保険会社に電話にて問い合わせの上、手続き方法について確認してみてください。
また、代理店で自動車保険の契約をした際は、代理店で住所変更手続きをお願いできます。
住所変更の手続きは保険会社に「契約者本人」が連絡しなければいけないケースがほとんどです。
普段働いていて忙しい人ほど面倒に感じて後回しにしがちですので、なるべく早めに連絡し手続きを済ませるようにしましょう。
その他通知事項
自動車保険の住所変更手続きのとき、保険会社に対していくつか通知しなければならないことがあります。
引っ越しに伴い同乗者が変わった場合、告知している使用目的に変更が生じた場合などは保険料に影響する可能性があることから、必ず伝えるようにしましょう。
また、家族限定で契約していて同居していた親族が別居などで離れ離れになったときは、補償対象外となってしまうので注意が必要です。
その他、走行距離や登録番号に変更が生じている場合にはこの機会にあわせて通知をするようにしてください。
傷害保険
傷害保険は引っ越しにともない、住所変更の手続きが必要です。
また、団体保険で加入していて、転園や転校、転職するときは脱退の手続きを行いましょう。
まとめ
今回は「保険編」ということで、引っ越しのときに忘れがちな手続きについてお伝えしました。
基本的には継続、あるいは解約して新規加入のいずれかとなりますが、必要となる手続きはそのときの状況などによって変わるため、加入した保険代理店や保険会社に相談することをおすすめします。
また、引っ越しに伴って家族構成やライフスタイルなどが変わっている場合、この機会に保険を見直すといいかもしれません。
なぜなら、保険は人生におけるさまざまなリスクに備えるためのものであり、ライフスタイルの変化に生じて保険も見直す必要があるからです。
この機会に複数の保険会社から各種保険の見積りや概要を取得し、比較検討したうえでニーズに見合ったものを見つけてみてください。
この記事を書いた人 | |
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![]() | 織瀬ゆり |
某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。 |
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