【50代でも年金保険に入れる?老後資金の準備方法を解説】

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【50代でも年金保険に入れる?老後資金の準備方法を解説】

老後生活を不自由なく送るためには、国からの年金のほかに自助努力で数千万円の資金が必要といわれています。そのため老後生活に向けて、収入の一部を計画的に貯蓄しておくのが望ましいです。

しかしながら、住宅ローンを返済したり子どもの教育費を支払ったりしながら、老後資金を貯蓄するのは難しいもの。
「50代になってから老後資金の準備を始めても間に合うのだろうか」と不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論からいえば、50代からでも老後資金の準備を始められます。
本記事では、50代から老後資金を準備する方法や注意点について解説します。

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老後にいくら必要か計算する

老後資金の積立を始める前に、老後資金がいくら必要なのかを計算することが大切です。
必要な老後資金額は、想定される老後の支出から老後の収入を差し引いて計算します。

老後の支出老後の収入
・食費
・水道光熱費
・住居費
・交通・通信費
・交際費
・医療費
・教養娯楽費
・税・社会保険料 など
・公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)
・退職金・企業年金
・労働収入
・不動産からの賃料収入 など
老後の支出は、居住するエリアや生活スタイル、住宅ローン返済の有無などで異なります。老後の収入については、職業や公的年金の加入期間などに左右されます。

老後の必要資金や老後に受給できる年金の計算方法については、以下の記事も併せてご確認ください。

個人年金保険で老後資金を準備する

個人年金保険とは、老後の生活資金が準備できる貯蓄型の保険です。
退職から公的年金が支給されるまでの生活資金や、公的年金の不足分を補うための資金を準備する目的で加入するのが一般的です。

個人年金保険に加入し保険料を支払うと、60歳や65歳など、契約時に定めた年齢に達すると年金を受け取れます。
年金の種類は、受取開始から10年や15年などの一定期間にわたって受け取れる「確定年金」と、亡くなるまで受け取れる「終身年金」が主流です。

確定年金は、受給の途中で被保険者(保障の対象となる人)が亡くなった場合、残りの期間に応じた年金または一時金が遺族に支払われます。
契約時に受取額が決まるため、途中で解約したり保険会社が経営破たんしたりしない限り、元本割れするリスクは少ないです。

終身年金は、基本的に死亡した時点で年金の支払いが終了します。
ただし「保証期間」が付いている場合、保証期間中に被保険者が死亡すると、遺族に対して残りの保証期間に応じた年金または一時金が支払われます。

長生きをするほど多くの年金を受給できる点が、終身年金の優れている点です。
そのため終身年金を選ぶと、長生きによって金融資産が尽きてしまうリスクへの対策となります。ただし年金の受給を開始してから早期に死亡すると、元本割れする点には注意が必要です。

保険料の払込方法は、月払(平準払)や年払などのほかに、加入時にまとめて払い込む一時払もあります。
保険料の払込回数が少ないほど、割引が適用されて保険料の払込総額が少なくなる傾向にあります。

2021年5月現在、低金利の影響を受けて円建の個人年金保険に適用される利率(予定利率)は、非常に低い値です。
※円建とは、契約した人が支払った保険料を、保険会社が円のまま運用すること

50代から老後資金を準備する場合、円建よりも高いリターンが期待できる「変額個人年金」や「外貨建個人年金保険」も検討すると良いでしょう。

変額個人年金保険

変額個人年金保険とは、契約者が支払った保険料の一部を株式や債券などで構成された「特別勘定」で運用する保険です。

変額個人年金保険を契約した人は、加入時に保険会社が用意する特別勘定から1つを選択して積立金を運用します。選択した特別勘定の運用成績に応じて、年金や解約返戻金などが増減する仕組みです。

運用の成果によっては高い収益が期待できる一方で、運用成果が振るわないと年金受取額が払込保険料を下回ることもあります。
変額個人年金保険は、保険募集人の説明をよく聞いて商品内容やリスクについて充分に理解したうえで、加入しましょう。

外貨建個人年金保険

外貨建個人年金保険とは、契約者が支払った保険料を保険会社が米ドルや豪ドルなどの外貨に交換して運用する保険です。
年金を受け取るときは、外貨を日本円に交換したうえで払われるのが一般的です。

アメリカやオーストラリアは日本よりも金利が高い傾向にあるため、外貨建個人年金保険の予定利率は円建よりも高く設定されており、高いリターンが期待できます。

ただし利率が高いのは、あくまで外貨を基準に考えたときです。外貨建個人年金保険には「為替リスク」があり、契約したときと年金を受け取るときで為替レートが変わっていると、損失が発生する可能性があります。

また、保険料の払込途中で利率が変動する商品もあります。
外貨建個人年金保険の仕組みも、変額保険と同じく非常に複雑であるため、保険募集人の説明をよく聞き理解したうえで検討することが大切です。

iDeCoやつみたてNISAで老後資金を準備する

iDeCoやつみたてNISAで老後資金を準備する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月掛け金を拠出し投資信託や年金保険などの金融商品で運用し、自分自身で老後の年金を準備する制度です。
つみたてNISAは、年間で40万円までの投資で発生した利益や配当金が非課税となる制度です。

投資信託や株式などの運用益に対しては、通常20.315%の税金が課せられますが、iDeCoやつみたてNISAでの運用益は非課税となります。
またiDeCoは、年間で支払った掛け金と同額が所得控除となるため、所得税や住民税の節税効果が期待できます。

iDeCoやつみたてNISAで選べるのは、金融庁による一定の審査を通過し、手数料が低く安定したリターンが期待できる金融商品です。これまで投資をした経験がない方でも、始めやすいといえます。

iDeCoやつみたてNISAで老後資金を準備するときの注意点

iDeCoやつみたてNISAで選べる金融商品は、金融庁の審査に通過しているとはいえ、元本割れする可能性はあります。

また50代から投資を始めた場合、投資期間は10〜15年ほどの短期間です。詳細な説明は省きますが、投資期間が短くなると元本割れする確率が高くなるため、運用先は慎重に選ぶ必要があります。

加えてiDeCoの掛け金上限額は、職業や勤務先の年金制度などによって異なります。職業が会社員や公務員などである場合、iDeCoの掛け金は月額1.2万〜2.3万円です。

50代から老後資金を準備する場合、iDeCoのみでは必要額を準備できない可能性があります。必要に応じて個人年金保険やつみたてNISAなど、他の方法と組み合わせて老後資金を準備すると良いでしょう。

老後資金を貯める以外で老後に備える方法

老後生活を豊かにする方法には、老後資金を貯蓄する以外にも、現在や老後の収入を増やす方法があります。

できるだけ長く働く

60歳以降も働いて収入を得ると、老後資金が不足するリスクへの対策となります。

かつて企業の定年は55歳や60歳でしたが、2021年現在では65歳に引き上げる企業が増えてきました。また再雇用制度を利用して、70歳程度まで働ける企業もあります。勤務先の定年延長の予定や、再雇用制度を利用して働ける年齢などを確認してみましょう。

定年が延長する予定や再雇用制度がない場合、定年後に再就職をするためにスキルを取得するのも対策の1つです。

ただし60歳以降に給与収入を得ながら老齢厚生年金を受給する場合、受給額が減ってしまうケースがある点に注意しましょう。

年金の受給額を増やす

「学生時代に保険料納付が免除されていた」「保険料を納めていない期間がある」などに当てはまる方は、60歳以降に国民年金に任意加入する方法があります。

国民年金の加入期間は、20〜60歳までの最長40年です。老齢基礎年金の受給額は、国民年金の加入期間に応じて決まります。60歳以降に国民年金に任意加入し、加入期間を40年にすることで老齢基礎年金の受給額を増やせるのです。

自営業やフリーランスは、付加年金や国民年金基金などに加入すると老後の年金額を増やせます。ただし「付加年金と国民年金基金は同時に加入できない」「掛金の上限額は、国民年金基金とiDeCoを合わせて月額6.8万円まで」などの制限があります。

老後までの収入を増やす

配偶者が専業主婦やパートタイマーであった場合、子どもが独立したあとに働く時間を増やして収入を増やすのも方法の1つです。

アルバイトやパートは、勤務時間や勤務日数、年収などが所定の要件を満たすと厚生年金に加入でき、老後の年金受給額を増やせる可能性があります。

ただし配偶者の年収によっては、世帯主が「配偶者控除」や「配偶者特別控除」を受けられなくなる可能性があります。配偶者の収入を増やす場合は、世帯の手取り収入が減少しないかを確認しましょう。

保険のプロに相談しよう

50代から老後資金を準備する場合は、個人年金保険やiDeCo、つみたてNISAなど複数の方法を組み合わせることが大切です。
老後資金の積立方法や積立額などは、個人の考えや許容できるリスク、ライフプランなどによって異なります。

老後も働いたり、年金の受給額を増やしたりするのも有効な対策です。ただし、老後の年金受給額が削減されたり、世帯の手取り収入が減ったりするなど、デメリットが生じる場合があるため慎重な判断が求められます。

50代から老後資金を準備するためには、さまざまな選択肢の中から最もメリットの高いものを選ぶことが大切です。保険や投資税金などの知識が幅広く求められます。
保険会社や代理店への相談はもちろん、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナーに相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
品木彰の写真 品木彰

保険、不動産、住宅ローンなどの記事を執筆するフリーランスライター。大手生命保険会社、人材会社の勤務を経て2019年1月にして独立。記名記事多数。
保有資格:2級FP技能士

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