頼りになる高額介護サービス費とは?申請や限度額をわかりやすく解説!

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頼りになる高額介護サービス費とは?申請や限度額をわかりやすく解説!

この記事の要点

  • 高額介護サービス費とは、払いすぎた介護利用費が返還される制度
  • 高額介護サービス費の対象外になる介護サービスもある
  • サービス支給限度額、高額介護合算療養費制度との関係をわかりやすく解説
  • 高額介護サービス費を利用しても、介護費用は負担になることがある

高額介護サービス費とは、介護サービスを利用して支払った自己負担が高額になったとき、上限額を超えた分が返還される制度です。
月々の介護サービス利用料を抑えてくれる頼もしい制度ですが、対象外のサービスがあったり、人によって自己負担上限額が違ったりと注意点もあります。わかりやすく解説するので、ぜひ押さえておきましょう。

また高額介護サービス費と混同されやすいものとして、

  • サービスの支給限度額
  • 高額介護合算療養費制度

があります。

3つの関係を正しく知ることがポイントなので、しっかり区別して覚えましょう。


高額介護サービス費とは?わかりやすく解説!

介護の認定を受けると、1割~3割の自己負担で介護サービスを利用できます。
介護は一生続くものなので、毎月の利用料は1割でも負担になるもの。そんな自己負担の上限額を設けたのが、高額介護サービス費です。
自己負担上限額を超えた分は、申請することで還付されます。

高額介護サービス費の上限額は所得で変わる

肝心の自己負担上限額は、所得によって決まっています。
2021年(令和3年)8月に限度額が変わり、高所得者の上限額が引き上げられました。

【高額介護サービス費による月額の限度額】(令和3年8月利用分から)

区分負担の上限額(月額)
市町村民税課税世帯課税所得690万円(年収約1,160万円)140,100円
(世帯)
課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1,160万円)未満93,000円
(世帯)
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円
(世帯)
市町村民税非課税世帯合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円を超える方24,600円
(世帯)
・合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方
・老齢福祉年金を受給している方
24,600円
(世帯)15,000円
(個人)
生活保護を受給している方 15,000円
(世帯)

高額介護サービス費の上限額は世帯で合算できる

表中の(世帯)とは、世帯合算ができるという意味です。つまり個人では上限を超えていなくても、同じ世帯に介護サービス利用者がいれば合算できるということ。たとえば夫婦2人とも介護認定を受けていて、合算した利用額が上記の自己負担限度額を上回れば、超えた分が払い戻されるのです。

高額介護サービス費の対象・対象外のサービス

介護サービスの中には、高額介護サービス費の対象外になるサービスがあります。そもそも介護サービスとは何かについても知っておきましょう。

介護サービスの種類

介護保険で利用できるサービスには以下のものがあります。

・介護サービスの利用にかかる相談、ケアプランの作成
・自宅で受けられる家事援助等のサービス
・施設などに出かけて日帰りで行うサービス
・施設などで生活(宿泊)しながら、長期間又は短期間受けられるサービス
・訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス
・福祉用具の利用にかかるサービス
「厚生労働省 公表されている介護サービスについて」より引用

具体的にわかりやすく例を出すと、
  • 車いすをレンタルする
  • 自宅に訪問してもらい、買い物や掃除、入浴などの介助を受ける
  • 施設に通い、食事や入浴の介助、リハビリなど受ける
  • 施設にショートステイし、入浴の介助やリハビリなどを受ける

などがあります。
*介護度に応じて、利用できるサービスは違います。

高額介護サービス費のおかげで1~3割の自己負担にも上限があるのですが、対象外のサービスもあるので注意しましょう。

高額介護サービス費の対象外になるサービス

下記のサービスは高額介護サービス費の対象外です。

  • 福祉用具購入費(ポータブルトイレや入浴用品など)
  • 住宅改修費
  • 支給限度額を超え、全額自己負担となる利用者負担分(こちらは「サービスの支給限度額との違い」でくわしく解説します。)


さらに、もともと介護保険対象外の費用(施設サービスの食費、居住費や日常生活費など)も高額介護サービス費の対象外なので、すべて自己負担になります。

高額介護サービス費の申請で気を付けたいこと

高額介護サービス費の申請で気を付けたいこと
一般的に、高額介護サービス費の対象になれば(利用料が自己負担限度額を超えたら)、自治体より通知がきます。通知が来ればすみやかに申請しましょう。

・申請期限
申請の期限はサービスを利用した翌月1日から2年以内です。

・代理申請
施設入所者など、本人が申請に行けないケースもあるでしょう。家族が代理申請できますが、本人確認書類や委任状など、必要となるものが自治体によって異なります。申請の前に電話で確認しておくといいでしょう。

・支給日
サービス利用の翌々月に通知と申請書が送付されるので、支給日は3ヶ月以上先になることが多いです。一時的に立て替える時期が発生することを覚えておきましょう。一度手続きをすれば、2回目以降も自動的に振り込まれることがほとんどです。

・確定申告(医療費控除)
支給決定通知書は、必ず介護サービスを利用した際の領収証と一緒に保管しておきましょう。確定申告で使う可能性が高いからです。
そもそも、介護サービスの利用料の中には医療費控除の対象になるものがあります。確定申告で医療費控除に使う際は、高額介護サービス費で返還された分を差し引いて申告しましょう。

他の制度との違いを知ろう

公的な介護保険には、高額介護サービス費と混同しやすい制度があります。それぞれ限度額があるので余計に間違えやすいですが、異なる制度なのでしっかり区別しましょう。

サービスの支給限度額との関係

在宅サービスを受ける場合、介護保険で利用できるサービス費用の上限が決められており、これを支給限度額といいます。支給限度額は要介護度によって異なります。

【在宅サービスの支給限度額】(令和元年10月から)

要介護状態区分1か月の支給限度額利用者負担(月額)
要支援150,320円支給限度額の範囲内で、サービスにかかった費用の1割~3割を負担
要支援2105,310円
要介護1167,650円
要介護2197,050円
要介護3270,480円
要介護4309,380円
要介護5362,170円
*1単位10円の地域の場合

サービス支給限度額のポイントは、「限度額を超えてしまった利用分はどうなるのか?」という点。
高額介護サービス費は「利用者がそれ以上払わなくていい」という金額でしたが、こちらの支給限度額は「受けられるサービスの限度額」です。この金額を超えた利用については、全額自己負担となります。

さらに支給限度額を超えた分は、高額介護サービス費の対象外です。

【介護サービスを利用したときの費用イメージ(自己負担1割の場合)】
介護サービスを利用したときの費用イメージ(自己負担1割の場合)
高額介護サービス費で自己負担上限額が決まっているとはいえ、このように対象外の費用があることも知っておきましょう。

高額介護合算療養費との関係

次に区別したい公的制度は、高額介護合算療養費制度です。
介護サービスの利用額と医療費を合算して高額となった場合に、上限額を超えた分が返還される制度です。

自己負担限度額(年額)2018年8月より

70歳以上※170歳未満※1
年収約1,160万円以上212万円212万円
年収770万~1,160万円141万円141万円
年収370万~770万円67万円67万円
一般(年収156万~370万円)56万円60万円
市町村民税世帯非課税31万円34万円
市町村民税世帯非課税
(所得が一定以下)
19万円※2
※1 対象世帯に70~74歳と70歳未満が混在する場合、まず70~74歳の自己負担合算額に限度額を適用した後、残る負担額と70歳未満の自己負担合算額を合わせた額に限度額を適用します。
※2 介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円となります。

高額介護合算療養費制度のポイントは、1年間で限度額が決められている点と、同じ医療保険制度に加入している家族は合算できる点です。

医療費は、高額療養費制度によって月々の自己負担限度額が決まっています。同じように、介護利用料の月々の自己負担限度額を決めたのが高額介護サービス費でした。そして医療費と介護費を合算した年間の上限額を設けたのが、高額介護合算療養費制度です。

高額介護サービス費で返還された月があっても、高額介護合算療養費制度により、さらに返還される可能性があるということ。該当すると自治体から通知がくるので、申請漏れがないようにしましょう。

思った以上に高額になる介護費用

ここまで高額介護サービス費について解説してきました。
介護費用を抑えてくれる心強い制度の一方で、対象外の費用があるというのがポイントです。
一般的な所得(年収770万円未満)の方なら、介護の自己負担上限額は月44,400円。しかし、介護にかかる費用の平均は月8万3,000円といわれます。介護保険や高額介護サービス費対象外の費用もあるため、上限を超えた負担が毎月かかる可能性も少なくないのです。

老後の年金生活において、毎月この金額を捻出できるか不安な方も多いですよね。平行して介護保険料も支払わないといけません。

今は民間の介護保険も充実しています。親の介護や自分の老後に不安を感じたときは、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。所定の介護状態になったとき、一時金で給付金を受け取れるタイプや、年金で受け取れるタイプなどがあります。公的介護保険に加えてこれらの備えがあれば、介護の選択肢も自然と増えますよ。

高額介護サービス費のまとめ

高額介護サービス費について、大事な点は次の4つです。

  • 月々の介護費用が高額になれば、高額介護サービス費により返還される
  • 高額介護サービス費には、対象外の費用や申請期限がある
  • サービス支給限度額を超えた分は自己負担で、高額介護サービス費の対象外
  • 1年間の医療費と介護費用が高額になったときは、高額介護合算療養費制度により返還される

また高額介護サービス費と高額介護合算療養費は、次のようにまとめられます。

高額介護サービス費高額介護合算療養費
計算期間月ごと年ごと
対象の費用介護サービスを利用したときの自己負担額介護サービスを利用したときの自己負担額と、医療費の自己負担額の合計額
世帯内合算要介護認定者の家族分を合算できる(所得区分によっては個人単位)同じ医療保険に加入している家族分を合算できる

 高額介護サービス費は大きな支えである一方、年金生活になれば介護費用が重くのしかかります。一度介護状態になれば、その後は介護がずっと続くと考えた方がいいでしょう。毎月の介護費用を捻出する選択肢として、民間の保険を検討してみるのもひとつです。

民間の介護保険をお探しの場合は、こちらでも無料で相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。





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この記事を監修した人
伊藤 可菜伊藤 可菜

大手生命保険会社の勤務を経て、2020年にニッセンライフに入社。
FPナビを中心にライフプラン相談などを行っており、丁寧でわかりやすい情報提供を心がけている。
保有資格:2級FP技能士

出典

「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf

「公表されている介護サービスについて」(厚生労働省)
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/

「高額介護合算療養費制度の見直しについて」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000533189.pdf

「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)
https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/2021honshi_all.pdf

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