持病があっても医療保険に入りたいなら!告知がゆるい保険のススメ

「持病があるから保険には入れない。」
そう思って医療保険を諦める方がいますが、持病がある方ほど保険を必要に感じているかもしれません。
実は持病のある方でも保険を検討することはできます。
そのひとつが引受基準緩和型医療保険。
記事では、この引受基準緩和型医療保険のポイントや選び方、ほかの保険との違いについてわかりやすく解説します。
保険の加入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
持病があっても引受基準緩和型医療保険に加入しやすいワケ
引受基準緩和型医療保険を検討する際、「保険と健康告知の関係」について知っておくとわかりやすいです。
医療保険に限らず、保険は「保険料を出し合い大きなリスクに備える相互扶助」の精神で成り立っています。
持病や既往症のある方は入院や手術のリスクが高いため、この相互扶助のバランスが崩れてしまうのです。
リスクが高い人のために保険料を出し合う状態になり、相互扶助とはいえなくなりますよね。そのため、リスクが高い人ほど保険加入が難しくなるわけです。
そこで、持病などで入院・手術のリスクが高い人向けの保険が生まれました。それが引受基準緩和型医療保険。告知の項目を通常よりゆるくしたことにより、申し込みしやすくなっています。
引受基準緩和型医療保険の特徴
引受基準緩和型医療保険は、基本的に通常の医療保険と同じように入院や手術を保障します。
通常の医療保険との違いは次のとおり。
- 健康告知項目が少ないため、持病や既往症があっても加入しやすい
- 既往症の再発や持病の悪化も保障の対象とされることが多い
- 保険料が通常の医療保険に比べて割高
- 加入後1年間は保険金が半分になる場合がある
- 保険料は一般的に終身払
- 選べる特約が少ない
また商品内容も時代に合わせて常に改定されており、最近では支払削減期間がない商品も多いです。
過去に検討してあきらめていた方でも、新しく検討できる保険が増えているかもしれません。
持病があっても申し込める保険はほかにもある
引受基準緩和型だけでなく、通常の保険(条件つき)や無選択型保険も検討できます。
大まかなイメージは次のとおりです。
商品ごとに条件や保障範囲が異なるので、ここでは主な特徴をご紹介します。
通常の医療保険:ただし特別条件つき!
通常の医療保険であっても、持病のある方が入れるケースがあります。
その場合、契約には下記のような条件がつくことがあります。
条件 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
保険金を削減 | 入院給付金が50%など、保険金が削減して支払われる | 一定期間(1~5年間)、または、終身の条件が適用される |
保険料が割増 | 支払う保険料が通常よりも高くなる | - |
特定部位不担保 | 身体の特定の部位を保障しない | 一定期間(1~5年間)、または、終身の条件が適用される |
特定疾病不担保 | 特定の疾病(病気)を保障しない |
通常の医療保険なら、たとえ保険料割増の条件がついても、引受基準緩和型や無選択型よりも保険料をおさえられます。
ただし部位不担保などの条件がつけば、持病や既往症が保障されないことに注意しましょう。
無選択型医療保険
無選択型医療保険とは、告知なしで申込できる医療保険です。
直近で入院した方でも検討できる分、保険料は割高。引受基準緩和型よりさらに高くなるでしょう。
また、基本的に持病や既往症は保障の対象外です。
保障されない期間は「2年」など商品ごとに決まっているので、その期間を過ぎれば保障の対象になります。
無選択型医療保険には保険料が高い・持病が保障されないなどの注意点がありますが、告知がいらないというのは大きな魅力です。
引受基準緩和型の医療保険に加入できなかった方にとっては、検討しやすい保険だと言えるでしょう。
持病がある方向けの保険の種類についてくわしく知りたい方は、こちらでも解説しています。
引受基準緩和型医療保険の選び方
持病があっても加入しやすい引受基準緩和型はニーズが高く、保険会社各社から販売されています。
数ある保険の中から自分に合う保険をみつけるためには、次のポイントを押さえましょう。
通常の保険→引受基準緩和型→無選択型の順で検討する
持病があるからといって、いきなり引受基準緩和型の保険を検討するのは避けましょう。
病気や治療期間によっては、十分通常の保険で検討できる可能性があります。
引受基準は常に改定されているので、「昔は不可だった病気も今は引き受けている」というケースだってあります。
ただし、通常の保険でも部位不担保等の条件がついてしまえば、持病が保障されません。
「持病が悪化したときの保障がほしい」という理由で保険を探している方は注意しましょう。
告知項目や引受基準を自分で見比べるのはかなり難しいので、保険のプロに相談するのが近道です。
複数の保険から幅広く検討する
通常の保険が難しい場合は、引受基準緩和型保険を検討します。
持病や治療期間に関する告知項目は保険会社によって違うため、複数の保険を幅広く検討しましょう。
参考までに、引受基準緩和型の告知例を見てみます。
- 最近3カ月以内に医師・歯科医師から入院・手術をすすめられたことがある
- 過去1~2年以内に入院・手術のいずれかをうけたことがある
- 過去5年以内にがん(悪性新生物・上皮内新生物)・肝硬変・慢性肝炎で治療を受けたことがある
※告知項目の回答がすべて「いいえ」であることが、申し込みの条件です。
告知項目は複雑でわかりにくいので、保険のプロに相談することをオススメします。
(最終的に加入できるかどうかは保険会社が判断します。)
入れる保険より入りたい保険を考える
持病のある方が保険を検討するときには、どうしても「加入できるかどうか」を考えてしまいます。
もちろん加入できることが大事なのですが、通常の医療保険を選ぶのと同じように、保障内容にも注目しましょう。
- 給付金は1日いくら出るのか
- 入院一時金などの「特約」はつけられるのか
- 支払削減期間はないか
持病を隠すのはNG!
引受基準緩和型は「保険料の高さ」がネックになると思いますが、そこで虚偽の告知をした場合、大きなペナルティを受けます。
悪質性の度合いによって、
- 保険金が給付されない
- 払い込んだ保険料は返ってこない
- 契約が解除される
などが起こります。
保険会社は申し込みの時点で他社の契約状況を、給付金請求の時点で医療機関に治療の経緯などを確認するので、虚偽の告知は必ずばれます。
必ずありのままを告知しましょう。
引受基準緩和型に入れなかったときは
引受基準緩和型保険に加入できなかった場合、無選択型保険が選択肢になります。
ただし保険料が割高なこと、そして持病の保障がないことが不安ですよね。
「持病の保障がほしいから保険に入りたい!」という場合、無選択型の医療保険では難しいです。
しかし、「持病以外の病気になったらどうしよう」という不安を抱えながら保険料の高さであきらめるなら、次の方法があります。
- ①無選択型保険はあきらめて、引受基準緩和型に加入できるまで貯蓄で備える
- ②「引受基準緩和型に加入できるまでのつなぎ」として、無選択型に加入する
- ③とくにがんに対して備えたいのなら、医療保険だけではなくがん保険も検討してみる
実際に、「引受基準緩和型に加入できるまでのつなぎ」として、無選択型に加入するという方はたくさんいます。
保険料は割高になりますが、一定期間でも保障があると心強いですよね。
一方がんに対して不安をお持ちなら、「がん保険」を検討できます。
がん保険の告知はがんに関する項目が多く、他の病気については告知がゆるいことがあるからです。
※ただし①②に関して、「期間が経てば引受基準緩和型に加入できる」というのは、その間新たに入院や手術を受けないことが条件となります。
〈引受基準緩和型に入れなかったときの検討パターン〉

まとめ:持病があっても医療保険に入りたいなら!
持病と医療保険の関係について解説しました。
大事な点をまとめてみます。
- 持病がある方は、告知のゆるい引受基準緩和型保険を検討できる
- 緩和型保険には、「保険料が割高」「保障の削減期間がある」などの注意点もある
- 会社によって条件が違うので、幅広く検討することが重要
- 緩和型のほかにも条件付きの医療保険、無選択型などの選択肢がある
持病があると、健康面だけでなく治療費にも不安を抱えてしまいますよね。
ニッセンライフはそんな不安に寄り添いながら、本当に必要な保険との出会いをお手伝いします。
執筆者:太田
この記事を監修した人 | |
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![]() | 條 武尊 |
FPナビを中心にライフプラン相談などを行っており、長く寄り添える情報提供を心がけている。 |
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