【年代別】おひとりさま男性が安心して暮らすための保険選び

男性の「生涯未婚率」や「平均寿命」が延びている中、結婚に縛られない自由な生き方が尊重される時代になりました。
同時に、独身男性ならではのリスクを、保険でカバーする重要さも注目されています。
年代ごとにどんな保険が必要なのかを確認し、適切に備えられているか確認しましょう。
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20代が備えたいお金と保険
20代で保険は必要ないと考えている方もいるかもしれません。
しかし29歳以下の8割弱が、なんらかの生命保険に加入しているということをご存じでしょうか。
年間に払い込んでいる保険料の平均は、29歳以下で23.3万円。
1か月あたりで考えると2万円弱を支払っていることになります。
どのような保険でどんなリスクに備えているのでしょうか。
最低限の医療保障
まずは病気やケガに備えて、最低限の医療保険に加入することを検討しましょう。
病気で入院するリスクは他の年代に比べて少ないですが、もし入院すると治療費が負担になります。
まだ貯蓄が十分でない世代ほど、保険で備える必要があるのです。
アクティブに動く世代だからこそ、ケガのリスクもありますね。
医療保険を検討する際は、必ず公的保障制度で足りない分を備えるようにしてください。
病気やケガによる治療費が高額となった時は「高額療養費制度」、会社員が仕事を休んだときは「傷病手当金」、障害が残った時は「障害年金」を利用できる可能性があります。
これらと貯蓄でまかなえない分を考慮し、医療保険の入院日額(1日入院すればいくら受け取れるか)を設定しましょう。日額ではなく一時金で受け取れるタイプもあります。
将来のためにはじめたい貯蓄と投資
将来に向けて少しずつ貯蓄をはじめましょう。
貯蓄には保険が有効です。
20代では周りも独身仲間が多く、飲み会や付き合いで支出が増えることもあるでしょう。
計画的に貯蓄ができない場合は、終身保険(死亡保険)がオススメです。
終身保険の大きな特徴は、保障機能と貯蓄機能を兼ね備えていること。
同じ死亡保険の定期保険に比べると、月々の保険料は高いものの解約返戻金が受け取れます。
万一亡くなったときには親に葬儀代を残せることに加えて、将来お金が必要になった際には解約して解約返戻金を使うこともできるのです。
また「生命保険料控除」を利用すれば、所得税、住民税の負担が軽減できる点もメリットです。
終身保険にはいくつかの注意点もあるので、こちらも参考にしてください
⇒死亡保険について基礎から解説します
若い20代は、投資にチャレンジしてみるのも1つです。
税制優遇制度のある「つみたてNISA」や「iDeCo」などを積極的に利用しましょう。
家計に影響のない少額であれば、株式投資のような投資性の高いものに挑戦するのもいいでしょう。
もちろん投資にはリスクがつきものですが、長期に運用することでリスクを分散できます。
だからこそ、若い20代は投資にチャレンジする良いタイミングなのです。
20代が考えたい保険まとめ
医療保険 | 貯蓄が少ないうちは最低限の医療保障を! |
---|---|
終身保険 | 死亡保障と貯蓄を兼ねている保険で、安心+将来のお金の不安に備える |
投資 | 若いうちにはじめれば、長期運用によりリスクを抑えられる |
30~40代が知っておきたいリスクと保険
30~40代のおひとりさま男性が今後も一人で生きていくことを考えたとき、今備えるべき「保険とお金」について考えてみましょう。
がんを含む医療保障
30~40代のおひとりさま男性は、仕事の責任が増え、忙しさやストレスなどから体調を崩す人も多くなります。
医療保障を準備しておく必要があるでしょう。
ただし20代に比べて貯蓄に余裕がでてきたのであれば、必ずしも必要な保障とはいえません。
高額療養費などの公的保障制度を考慮し、個室代なども含めて貯蓄でまかなえるかを検討しましょう。
医療保険は貯蓄でカバーできそうだから必要ないという方も、がん保険は検討することをオススメします。
国立がん研究センターによると、「日本人のがんの中で、原因が生活習慣や感染である」と思われる割合は男性が53.3%、女性は27.8%です。
喫煙・飲酒・塩分摂取など、生活習慣ががんに影響しているのは男性の方が多いといえます。
※棒グラフ中の項目「全体」は、他の項目の合計の数値ではなく、2つ以上の生活習慣が複合して原因となる「がんの罹患」も含めた数値です。
とくにおひとりさま男性は外食が多くなりがちなため、生活習慣を原因としたがんのリスクが高いと予想されます。
がんの治療は、長期化や再発により費用もかかるため、保険で備えておくと安心です。
もちろん定期的ながん検診も行いましょう。
突然のケガや病気で働けなくなるリスク
病気やケガで長期的に仕事を休むと、その間の収入が途絶えてしまいます。
働けなくなるリスクに備え、お給料のように毎月給付金を受け取れる就業不能保険に加入するのがオススメです。
会社の健康保険に入っている人は、連続して3日以上休むと、4日目から1日につき標準報酬月額の3分の2が支給される「傷病手当金制度」があります。しかし、国民健康保険には傷病手当金制度がありません。病気やケガで仕事を休んだときの公的な補助がないのです。働けないリスクにそなえる就業不能保険は、国民健康保険に加入している自営業者やフリーランス、非正規雇用の方などに必要な保険といえます。
老後の準備は40代にはじめておく
「老後は趣味を心ゆくまで楽しみたい」
「できれば有料老人ホームに入って悠々自適に暮らしたい」
そんなおひとりさま男性の理想の老後を実現するためには、どうしたらいいのでしょうか。
今からであれば定年までに時間があるため、毎月貯めていくとまとまった金額になります。
ただし貯金が必要なのは、老後の資金だけではありません。
何かあったときのために年収半年分から1年分の備えがあると安心です。マイホームの購入や転職などにも役立つでしょう。
これらの貯金に加えて老後の貯蓄をするのが難しい場合は、個人年金保険を利用してみてはいかがでしょうか。
「個人年金保険料控除」の対象なので、所得税と住民税の控除という税制上のメリットもあります。
また多少のリスクはあるものの、「つみたてNISA」や「確定拠出年金」などの投資も老後資金準備に有効です。
投資性のある変額保険や外貨建て保険なら、死亡保障を持ちつつ運用もできます。
早めにはじめると長期運用につながり、リスクを分散して抑えられるでしょう。
⇒年金・変額保険の一覧、詳細はこちら
30~40代が考えたい保険まとめ
医療保険 | 貯蓄で医療費がまかなえる場合でも、がん保険は検討する |
---|---|
就業不能保険 | フリーランスや自営業者は働けなくなるリスクに備える |
個人年金保険 | 月々の貯金と並行して老後資金を貯蓄する方法として、税控除もある年金保険もオススメ! |
投資 | 早めにはじめれば、長期運用によりリスクを抑えやすい |
50代以降が知っておくべきリスクと保険
平均寿命がますます延びている中、おひとりさま男性が安心して老後を迎えるためには、どのような準備をすればよいのでしょうか。
50代以降の独身男性が知っておきたい病気や介護、老後の生活費を確認しましょう。
最低限の死亡保障
まだ死亡保険に加入していない場合は、自分の葬儀費用や死後の整理費用に備える程度の金額で、死亡保険に加入するといいでしょう。
たとえば葬儀費用であれば約200~300万円、その他お墓代などを見込んで300~400万円程度の保障がひとつの目安です。もしその程度の余剰資金があれば、保険は必ずしも必要ではないでしょう。
医療費への備え方
老後の医療費は、「高額療養費制度」などの公的制度を使うことがベースとなるため、貯蓄が十分にあれば医療保険への加入は必要ありません。
とはいえおひとりさまは、病院までの付き添いや自宅療養で、タクシー・ヘルパーなどに頼る可能性もあります。
公的な医療保険では医療費以外の費用をまかなえないため、すでに医療保険に加入しているなら、解約せずに残しておきましょう。
保障内容が現代に合っているかの見直しは必要です。
もしまだ医療保険に加入していないなら、入院が長引く三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中など)にかかった時点で大きな保障が得られる、三大疾病保険に加入しておくといいでしょう。
ただし、過去に病気を経験していたり持病があったりすると、こうした保険に新たに入るのは難しいです。その場合は持病がある方向けの保険(引受基準緩和型医療保険や無選択型医療保険など)を検討しましょう。
将来の介護費用や生活費への備え
定年後の生活費、さらには介護が必要になったときの備えも必要です。
総務省の調査によると、60歳以上の男性一人暮らしの生活費(支出)は、1か月約15万3,000円。
受給予定の年金額を知り、
①足りない生活費、
②車の買いかえ費用や家の修繕費などの臨時出費、
③医療費、
④介護費用
などを準備する必要があります。
とくにおひとりさま50代男性は、介護費用を気にする方が多いです。
家族に頼ることが難しいため、介護施設への入所がひとつの選択肢になるでしょう。
有料老人ホームなどを選べば、多くの費用を要する可能性があります。
介護の選択肢を広げるためにも、できる限り備えることが大切です。民間の介護保険などを検討してみましょう。
保険商品によって、所定の介護状態になれば一時金や年金を受け取れるタイプがあります。
死亡保障を兼ねたタイプもあるので、複数の保険に加入することに抵抗がある方は、一つにまとめてみるのもいいでしょう。
50代が考えたい保険まとめ
死亡保障 | 葬儀費用や死後の整理費用に備える程度の金額を、貯金か死亡保険で準備する |
---|---|
医療保障 | 三大疾病に備えた保険や持病がある方向けの保険を検討する |
介護保険 | 介護の選択肢を広げるためにも、民間の介護保険に加入するのがオススメ |
おひとりさま男性に必要な保険は個々で違う!プロに相談しませんか
年代別に、独身男性が考えたい保険とお金についてまとめました。
なんとなく保険の必要性を感じていた方も、「どんなリスクに備えるべきか」を考えることで、優先順位がつけられたのではないでしょうか。
大事なのは
- 年代別にどんなリスクがあるのか(いくらぐらい必要になるのか)を知ること
- 公的な保障でどこまでまかなえるのかを知ること
- 足りない分はどんな保険で備えればいいかを知ること
の3点です。
現状充分な貯金がない方にとって、「医療費も老後の資金も介護費用も貯蓄でまかなおう!」とすると、月々の必要貯金額は増える一方。
なかなか貯められません。
保険だとリスクに特化して、必要最低限の備えができます。
とはいっても、「必要最低限の保障額」が難しいですよね。
自分にとって必要な保障額は、保険のプロに相談して設定しましょう。
今加入している保険がある場合は、保障が自分に合っているかの見直しも必要です。
ぜひお気軽にご相談ください。
執筆者:ニッセンライフ 太田
この記事を監修した人 | |
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![]() | 條 武尊 |
FPナビを中心にライフプラン相談などを行っており、長く寄り添える情報提供を心がけている。 |
出典
「令和元年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)
https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h30zenkoku/p003-045.pdf
「性別,50歳時の未婚割合,有配偶割合,死別割合および離別割合:1920~2015年」(国立社会保障・人口問題研究所)
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2019.asp?chap=0
『科学的根拠に基づくがん予防』「日本人におけるがんの要因」(国立がん研究センター)
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html
「家計調査報告(家計収支編)2019年」(総務省)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/index.html
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