妊娠したらもう一度保険の見直しを!先を見据えて保障を考えよう

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妊娠したらもう一度保険の見直しを!先を見据えて保障を考えよう

妊娠・出産は家族の一大イベントのひとつ。喜びあふれると同時に、出産時の費用など現実的な不安もわき上がってくることでしょう。出産費用の補填として民間の保険が使えるかどうかも知っておけると安心ですね。

この記事では、妊娠してから検討する保険の見直しについて詳細を解説。以下のポイントをまとめていきます。

  • ● 妊娠・出産にかかる費用と一般的な自己負担額について
  • ● 妊娠・出産に使える民間の保険について
  • ● 妊娠したら見直したい「家族の保障」のポイント


それでは内容について詳しく見ていきましょう。

出産にかかる費用や保険が使えるケースについて解説

まず知っておきたいのは、出産にかかる費用についてです。
入院分娩費用など出産費用は、全国平均で約47.3万円(2021年度)。
この金額は差額ベッド代を除いた額なので、個室を利用した場合はさらにお金がかかります。
大きな費用がかかることに驚くかもしれませんが、ご安心ください。
健康保険の給付や、自治体による助成制度を活用することで、費用負担が軽くなります。

健康保険や自治体から補助が出る費用

妊娠・出産における健康保険や自治体からの補助・助成などの一部をご紹介します。

  • ● 妊婦健診の助成(市区町村)
  • ● 分娩費用・入院費の補助(健康保険)
  • ● 帝王切開などの手術により医療費が高額になった場合の補助(健康保険)


妊婦検診の助成

妊婦健診にかかる費用は、お住まいの市区町村から助成を受けられます。市区町村から配布される「妊婦健診受診票」を使用すれば、健診費用の一定額が助成される仕組みです。
受診票は、平均的な健診回数である14枚が配布されることが多いです。
市区町村によって、助成額や助成の範囲に含まれる健診の種類が異なりますので、詳細はお住まいの市区町村に問い合わせてみてくださいね。

出産育児一時金

分娩・入院に関しては、健康保険から「出産育児一時金」が1児につき50万円*1が支給されます。
出産育児一時金は、国民健康保険・政府管掌健康保険など加入している健康保険にかかわらず、また夫の扶養に入っている場合も支給されます。
*1  2023年4月1日以降に、産科医療補償制度に加入の医療機関等で出産した場合。2023年3月31日以前に出産した場合は1児につき42万円。なお、産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合や妊娠週数22週未満で出産した場合などは支給額が異なります。

帝王切開で出産したたとき

帝王切開による分娩など「異常分娩」に該当する場合は保険適用となるので、入院や手術、検査にかかる自己負担は3割です。

高額療養費制度

もし、月内に負担した医療費が一定額を超えた場合は、超えた分の医療費が払い戻される「高額療養費制度」も活用できます。
高額療養費は食費や差額ベッド代は対象外となり、上限額は健康保険加入者の所得によっても変わりますが、年収が約370から約770万円までの方は、9万円程度になることが多いです。
詳しくは、加入している健康保険組合に確認してくださいね。


そのほか、会社員が出産する場合は、出産育児一時金のほかに健康保険から「出産手当金」が受けられる場合があります。この給付金は、健康保険に加入する本人が出産のため会社を休み、給与の支払いがなかった所定の期間に対して給与の一定割合について給付が受けられるものなので、夫の扶養に入っている方は対象外です。 

民間の医療保険が使えるケースもあるが、妊娠中の加入には留意点も

出産にかかる費用を民間の医療保険でカバーするには、いくつかの条件があります。ただしそもそも自然分娩は保険金支払の対象外だということには留意しておきましょう。自然分娩は、医療保険の保障範囲である「病気・ケガ」に含まれないからです。

以下の条件がそろった場合は、民間の医療保険を検討できる可能性があります。

  • ● 妊娠するまでに保険に加入していること(特定の週数までであれば加入できる場合があります)。
  • ● 出産に関わる入院・手術が特定部位不担保(支払対象外)になっていないこと。
  • ● 帝王切開・切迫早産などの異常妊娠・異常分娩により、支払事由に該当する手術を行うこと。


既に医療保険や女性疾病特約付きの保険に加入している場合は、今回の妊娠・出産が保障範囲に含まれているか、契約内容を確認しておくことが大切です。保障の範囲に含まれている場合は、出産までは解約せずに契約を継続することをおすすめします。

加入中の医療保険の継続をおすすめする理由は、妊娠中に医療保険に加入すると「今回の出産に関わる入院・手術」が支払対象外(特定部位不担保)扱いになる可能性が高いからです。
また、過去に帝王切開などの異常妊娠・分娩の経験がある場合も条件がつく可能性があります。

医療保険に新たに加入・乗り換えを考えている場合は、出産が終わってから条件を確認した上で乗り換えするかどうかを検討してみてください。

妊娠したら保険を見直すべき2つの理由

妊娠したら保険を見直す理由は「今回の出産に備えるため」だけではありません。むしろ妊娠は「家族の将来のため」に必要な保険見直しタイミングだといえるのです。
妊娠したら保険を見直すべき理由は2つあります。

  1. 生まれてくる子供を含めた保障設計の立て直しが必要だから。
  2. 育児に追われると、保険の見直しをする余裕がなくなるから。

それぞれ詳細を解説していきます。

子供の将来や生活を考えた保障設計の立て直しがいるから

妊娠したらあらためて保険を見直すべき最大の理由は、子供が生まれることで家族に必要な保障が大きく変わるから。子供の誕生にあたって考えるべき保障と、検討したい保険種類は次のとおりです。

妊娠中に考えるべき保障の内容リスクに備えられる保険種類
一家の大黒柱に万が一のことがあった場合の、子供を含めた家族の生活費・終身保険
・定期保険
・収入保障保険
・就業不能保険
教育資金の確保学資保険 など


終身保険や定期保険、収入保障保険のような死亡保障は、結婚したときに加入しているケースも多いかと思います。しかし結婚時の保障内容は「夫婦二人の生活を考えた保障」であるケースが多いもの。既にこれらの保険に加入済みの場合も、子供を含めた生活費を補填できるかどうか考えることが重要です。

また、万が一のリスクは死亡だけではなく、病気やケガなどによる働けなくなるリスクもあります。一定の就業不能状態に該当した場合に給付金が支払われる、就業不能保険への加入もおすすめです。保障対象となる「就業不能状態」の条件が商品によって異なるため、複数の商品を比較した上で選びましょう。

子供の教育資金を貯める方法のひとつとして学資保険があります。学資保険は、親に万が一のことがあっても、子供の大学入学など教育資金が必要なタイミングで満期保険金を受け取れる仕組みになっています。
学資保険には妊娠中から加入できる商品もあるため、出産前に手続きを終わらせることも可能です。
学資保険以外でも教育資金の準備方法はあるので、教育プランなどを考慮して選びましょう。

子供の小さいうちに保険を検討するのは大変

子供が生まれると、当面の間以下の理由から保険について考えるのが難しくなります。

  • ● 新生児は24時間態勢の育児になり、保険について考える余裕がない。
  • ● 子供が小さいうちは免疫機能が発達していないため、人混みに出向いて保険相談するのにはリスクがある。
  • ● 子供が動き出すと、比較検討や保険相談に集中するのが難しい。


とくに初めての育児の場合は、育児の負担が大きくなり生活に余裕が生まれにくくなります。何が起こるかわからないから備えるのが「保険」。子供の成長を待ってから保険を検討するのでは、いざ備えが必要になったときに後悔することにもなりかねません。

妊娠中は、夫婦で子供の将来や家族の保障についてじっくり考える時間が設けられる貴重なチャンス。このタイミングを生かし、家族の将来設計について腰を据えて話し合ってみましょう。

今後のライフステージを考慮した将来設計をするときは、ファイナンシャル・プランナーに相談するとよいでしょう。ファイナンシャル・プランナーは家族構成や収入の状況から、家計のアドバイスをしてくれる専門家。必要な保障や保険についても相談することができますよ。

まとめ

出産にかかる費用と検討したい保険について解説していきました。以下に要点をまとめます。

  • ● 出産費用の平均は約47.3万円。健康保険の給付や、自治体による助成制度があるので、自己負担は少なくなる。
  • ● 自然分娩は、民間の医療保険などでは保障されない。帝王切開や切迫早産など「異常妊娠・異常分娩」の場合、保障対象になる場合がある。
  • ● 妊娠中に医療保険に加入した場合、その出産にかかる保障は対象外になる。
  • ● 妊娠中に「家族の保険」を見直そう。


もうすぐ赤ちゃんに会えると思うと嬉しさがこみ上げてきますね。子供との将来のために、保険の見直しは妊娠中に済ませておきましょう。

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この記事を書いた人
pomocopomoco

元金融会社勤めのフリーランスライター/2級FP技能士資格保有
FP資格の知識を生かし、金融全般や家計といったジャンルを中心に執筆活動中。
会社員のときに感じていた「ワーママの毎日に楽しい!を増やしたい」というテーマで、日々情報を発信しています。

出典

「出産にかかる費用はどれくらい?」((公財)生命保険文化センター)
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/797.html
「出産育児一時金の支給額・支払方法について」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shussan/index.html
「出産育児一時金について」(全国健康保険協会(協会けんぽ))
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r310/
「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
「出産で会社を休んだとき」(全国健康保険協会(協会けんぽ))
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3290/r148/

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