おひとりさま女性30代・40代の保険はどう備える?

令和元(2019)年度の生活保障に関する調査(生命保険文化センター)によると、将来の生活や、経済的な準備をどうするかなど生活設計を立てている人の割合は、20代女性が21.3%であるのに対し、30代女性では33.7%と急激に増えています。
30代は仕事もプライベートも充実する反面、漠然とした将来への不安も高まる年代かもしれません。
そんな今後の生き方を真剣に考える時期のおひとりさま女性が知っておきたい「保険とお金」のことを見てみましょう。
病気が身近になってくる年代、どう備える?
30代をすぎると女性は体力の変化を感じることも多くなり
「もし病気になったら一人でどうしたらいいのだろう…」
と不安になることもあるのではないでしょうか。
病気に備える保険は、一度健康を損なうと加入が難しくなります。まだ健康なこの年代のおひとりさま女性だからこそ、病気やケガのときに助けになる制度や保険を確認しておきましょう。
たとえば、入院や手術などで高額な医療費がかかった場合に、その費用を軽減する「高額療養費制度」があります。
具体的には、同一月(1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額について、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻されるという制度です。
ただしこの制度を利用したとしても、入院で個室を利用した場合の「差額ベッド代」や公的医療保険では対象外となる特殊な治療費、そのほかにも衣類、タオルなど日用品、テレビ、本・雑誌代などの雑費は自己負担となります。
上述の生命保険文化センターの調査では、直近の入院時に払った自己負担費用は10万円〜20万円未満の人が30.6%ともっとも多くを占めています。
貯金だけでは心許ないという場合は「医療保険」で備えましょう。
高額になりがちながん治療費の負担をしっかりカバー
治療費が高額になりがちな「がん」への備えとして、「がん保険」への加入をおすすめします。
とくにこの年代の女性は乳がん、子宮がん、卵巣がんなど女性特有のがんにかかる人が、がんで死亡する女性のうち半数近くを占めています。
定期検診をきちんと受け、早期発見・早期治療に努めましょう。
病気やケガで会社を長期間休むと、その間の収入が途絶えてしまいます。
そんな時おひとりさま女性の助けになるのが「就業不能保険」です。お給料のように毎月給付金を受け取れ、生活費をまかなえます。
会社の健康保険組合に入っている人は、連続して3日以上欠勤すると、4日目から、1日につき標準報酬日額の3分の2が支給される「傷病手当金」制度があります。
自営業者などは、傷病手当金の制度がありませんので、就業不能保険の加入を検討しましょう。
おひとりさま女性の住宅・自動車の保険加入のポイント
賃貸に住む人は、契約時に火災保険の一種である「家財保険」をすすめられます。そこでは自分の家財に合った適正な保険金額を設定するようにしましょう。また大切な自分の城を守るために、「地震保険」の加入も検討しましょう。
自動車を所有することになった場合は、「自動車保険」に加入します。週末の友人との買い物などを中心に使用するのか、通勤で利用するのかによって保険料が変わるため、自動車ディーラーから提示されたプランのままではなく、自分に必要な補償内容をよく検討してみましょう。
老後資金の準備を少しずつはじめよう
おひとりさま女性は、自分の好きな趣味を楽しんだり、旅行に行ったりといった理想の老後を思い描いていると思います。
そのためにも、30代・40代のうちから老後資金を準備しておきましょう。
保険は保険料が口座引き落としで知らず知らずのうちに貯まっていくので、老後資金を着実に貯めることに向いています。
とくに老後の生活費として準備するのであれば「個人年金保険」がおすすめです。この保険は「個人年金保険料控除」の対象で、所得税と住民税の控除という税制上のメリットもあります。
そして保険での備えと同じくらい重要なのが貯金です。年収半年分から1年分の現金の備えがあると安心です。
老後の蓄えとしてだけでなく、おひとりさま女性の結婚・住居購入・転職など大きなライフイベントのときにも役に立ちます。
今の生活、そして老後の生活を不安なく過ごすためにも、30代・40代のうちから保険を上手に利用して準備していきましょう。
この記事を書いた人 | |
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![]() | 駒野 彩子(ファイナンシャル・プランナー) |
損害保険会社勤務を経て、出版社で編集者として音楽誌編集に携わる。出産を機にライターの仕事を始め、保険・資産形成などお金にまつわる記事から、生活・子育てに関する記事までジャンル問わず執筆している。読んだ人が「楽しく、前向きな気持ち」になれるような記事を書きたいと日々奮闘中。 |
出典
「令和元(2019)年度 生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf
「最新がん統計」(国立がん研究センター)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
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