医療保険に通院保障はある?通院保障特約の内容と必要性
「医療保険には、通院したときの保障はある?」
「通院保障がある場合でも、入院しないと保障されないの?」
上記のように、医療保険で通院時の保障が気になる方は多いと思います。
一般的に医療保険とは、病気やケガで入院や手術をしたときの保障をするものです。
ただし医療保険でも通院保障特約を付ければ、通院したときでも保障を受けられますよ。
当記事では、医療保険で通院保障を付ける方法から通院保障の内容まで、わかりやすく解説していきます。
「医療保険の通院保障について知りたい」という方や「通院保障を付けるべきか悩んでいる」という方は、参考になさってください。
特約を付ければ、医療保険でも通院保障を受けられる
一般的な医療保険は病気やケガで入院・手術をしたときの保障がメインで、通院したときの保障はありません。
なぜなら、医療保険のおもな役割(基本保障)は入院や手術による経済的負担を軽減するものだからです。
しかし通院保障特約が付いている医療保険であれば、病気やケガで通院したときにも保障を受けることができます。
「通院も保障される医療保険に入りたい」という方は、通院保障特約が付けられる医療保険を検討しましょう。
ただし通院保障特約を付けた医療保険は、基本保障(入院・手術)だけの医療保険と比べて保険料は高くなるものです。
特約はあくまでオプションなので、通院保障を付ける・付けないは自由です。
特約を付けた場合の保険料と保障内容をよく考慮したうえで、通院保障を付けるかどうか決めてくださいね。
通院保障特約の保障内容
医療保険の「通院保障特約」は、病気やケガで入院後に通院したとき、「通院給付金」という保障を受けられる特約です。
ここでは通院保障特約の適用条件から具体的な保障内容について、くわしくお伝えしていきましょう。
通院保障特約の適用条件
通院保障特約付きの医療保険で実際に通院保障を受けるためには、下記のような条件がつくのが一般的です。
<通院保障特約の適用条件>
- 病気やケガの治療を目的に、医療保険の入院給付金の対象になる入院をしている
- 退院後あるいは入院する前の保障対象期間*内に、入院時と同じ理由で通院している
- 公的医療保険の対象となる通院である
つまり入院をせずに風邪で通院したときの保障は、通院保障特約の適用外になります。
通院保障はあくまで、「入院を必要とする病気やケガによって、所定の期間内に通院したとき」に保障されるということを、覚えておきましょう。
通院給付金の保障内容
通院保障特約の適用条件を満たす通院であれば、通院給付金を受け取ることができます。
・通院給付金とは
通院1日につき5,000円や1万円など、あらかじめ決められた給付金額が、通院日数分支給されるものです。
たとえば5,000円の給付金設定で5日間通院した場合、5,000円×5日間分=2万5,000円の通院給付金を受け取れます。
しかし支払限度日数を越えて通院した日数については、通院給付金の支給はありません。
・通院給付金の支払限度日数
通院給付金は無制限に保障されるものではなく、支払われる日数には支払限度日数という上限が設けられています。
一般的な医療保険の場合、通院給付金の支払限度日数は、通算30日に設定されていることが多いです。
ただし通院給付金の金額も支払限度日数も、保険会社や医療保険によって異なります。
医療保険で通院保障特約を付ける場合は保険料と保障内容をよく比較し、ご自身にあったプランを選択しましょう。
医療保険に通院保障特約は必要なのか
「そもそも、医療保険に通院保障特約を付ける必要はあるのか」で悩む方もいるでしょう。
通院保障特約は、あくまで入院を必要とする通院でしか保障を受けられません。
ちょっとした風邪の治療で保障を受けられるわけではないので、「必要ないかな」と悩むのは当然です。
ここでは実際に入院する人などのデータをご紹介しながら、通院保障特約の必要性をご案内します。
入院や退院後の通院割合などを参考に、通院保障特約の必要性を考えてみてください。
入院経験のある人と、退院後に通院している人の割合
実際にどのくらいの人が入院を経験し、退院後に通院しているのかの割合を見ていきましょう。
<入院経験がある人の割合(過去5年以内)>
生命保険文化センターの調査によれば、20代から40代まではおよそ10人に1人の割合で入院を経験しています。
そのあとは年齢を重ねるごとに入院経験人数が増加し、60代では5人に1人の割合で入院経験があります。
とくに50歳以降は入院する可能性が高くなってくるので、治療費に対する備えが必要です。
<年代別 過去5年以内の入院経験> | ||
年代 | 入院経験あり | 入院経験なし |
---|---|---|
20歳代 | 8.0% | 92.0% |
30歳代 | 10.0% | 89.5% |
40歳代 | 11.8% | 88.1% |
50歳代 | 14.7% | 85.3% |
60歳代 | 19.8% | 80.2% |
令和元年度「生活保障に関する調査」第II章 医療保障 過去5年間の入院経験の有無 を元に表を作成 |
<退院後に通院している人の割合>
厚生労働省の調査によると、退院後に通院する人の割合は約80%*です。
退院したあとも多くの方が、何かしらの理由で通院されています。
したがって入院するような病気やケガをした場合、退院後も一定の通院は必要になるということです。
入院時の治療費にそなえる際は、退院後の通院費用もあわせて準備するようにしましょう。
*厚生労働省「平成29年(2017年) 患者調査」統計表34表より、「退院後の行き先」で再入院した患者、違う施設に入所した患者、死亡や行き先が不明な患者を除いて算出
通院保障特約が必要な方とは
通院保障が必要なのは、病気やケガで入院・通院したときの経済的負担に対し、貯蓄や公的保障で備えることが難しい方です。
緊急時にいつでも引き出せる貯蓄があり、高額療養費制度などの公的保障で対処できるのであれば、通院保障は必要ないでしょう。
しかし「今は教育費と老後資金の準備で手一杯。万一の治療費までそなえる余裕がない」という家庭は、少なくありません。
思わぬ入院や通院の治療費に対処できる経済的余裕がないのなら、通院保障でそなえておくのも、ひとつの方法です。
先のデータを見てもわかるように、入院を伴う通院は決して他人事ではありません。
入院も通院も、ある程度のそなえは必要です。
少しでも不安があるのなら、通院保障特約を医療保険に付けることも考えましょう。
医療保険以外で通院保障のある保険
医療保険以外にも、通院の保障を受けられる保険はあります。
ここでは、がん保険や傷害保険に付いている通院保障をご紹介しましょう。
がん保険の通院保障
がんの治療に特化したがん保険には、がん治療で通院したときの通院保障があります。
「がん通院給付金」という形で、1日の通院につき所定の金額(5,000円~1万円程度)を日数分受け取れるものです。
ただし加入するがん保険によって、通院給付金の有無や給付条件は異なります。すべてのがん保険に通院保障があるわけではなく、特約扱いになっていることもあるので、注意しましょう。
とはいえ治療費の負担が気になるがんにおいて、重点的に通院保障をそなえられるのは大きな魅力といえます。
病気の中でもがんの治療費が気になる方は、がんの通院に特化したがん保険も検討してみてください。
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傷害保険の通院補償
ケガをしたときの治療費を補償する傷害保険にも、通院補償はあります。
一般的に傷害保険の通院補償は基本補償です。
ケガの治療を目的に通院をした場合、1日につき所定の通院保険金日額を受け取れるようになっています。
傷害保険のため病気をしたときの補償はなく、通院保険日額は数千円程度というのが一般的です。
ただし傷害保険では入院を伴わない通院も補償対象になるため、ちょっとしたケガの通院でも保険金を受け取れます。
また通院時の保険金額が少ない分、保険料も抑えられています。
日常生活のちょっとしたケガの通院にそなえたい方は、傷害保険も検討してみてください。
まとめ
医療保険でも特約という形で、通院保障を付けることができます。
通院保障特約付きの医療保険を検討する場合は、以下のポイントに気をつけてください。
- 通院保障特約はあくまでオプションのため、特約を付ければ保険料は高くなる
- 入院を伴う通院でなければ、通院給付金は受け取れない
- 通院給付金の対象になる保障期間や給付金の支払限度日数は、保険会社や商品によって異なる
- 保障の範囲は限定されるものの、がん保険や傷害保険などで通院保障を用意することもできる
病気やケガで入院したり通院したりする可能性は、年をとるほどに高くなっていきます。
治療費のそなえに不安がある場合は、通院保障特約付きの医療保険を検討するのもひとつの方法です。
ご紹介したポイントに気をつけ、ご自身にとってベストな医療保険と通院保障をそなえてください。
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出典
「令和元年度「生活保障に関する調査」第II章 医療保障 過去5年間の入院経験の有無」(公益財団法人 生命保険文化センター)
https://www.jili.or.jp/research/report/chousa_r1st_1.html
「平成29年(2017年) 患者調査」(厚生労働省)
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003318594
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