病気解説
関節リウマチとは
関節リウマチとは、関節や関節周囲の骨や腱、筋肉に痛みを生じる病気のことです。
関節は、骨と骨とがつなぎ合わされた部分で、骨の端にはクッションの役割を果たす軟骨があります。
関節リウマチは、ウイルス感染などをきっかけに免疫系(リンパ球)が自分自身の組織を異物とみなして攻撃してしまい、関節の滑膜に炎症を生じさせることで発症します。
関節リウマチは、「自己免疫疾患」の一つです。
免疫とは、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を排除するための仕組みです。
ですが、この免疫の仕組みが乱れると、体外から侵入した異物に過剰に反応するアレルギー症状や、自分の体の組織や成分を異物とみなして攻撃してしまう自己免疫疾患が起こります。
発症年齢は30〜50歳代が多く、特に女性の罹患率が男性よりも高くなっています。関節リウマチの典型的な症状は、関節の痛みやこわばりで、手指、足の指、手首の関節などに現れることが多いです。
このほか全身症状としては疲れやだるさ、脱力感、体重減少、食欲の低下などで、症状が悪化すると肺炎や心臓疾患、胃潰瘍などのリスクも高まります。
関節リウマチの患者で最初に痛くなった関節は、手指が約半数を占めて最も多く、手首、膝、足の指・足の裏、肩、足首と続きます。関節以外の症状として、「乾燥性結膜炎(眼が乾燥する。ごろごろする。ドライアイ)」、「浮腫(むくむ、指で押すとくぼみが残る)」、「皮下結節(皮下にできる固いしこり)」、皮下出血などがあげられます。
関節リウマチで怖いのは合併症のリスクが高くなることです。たとえば間質性肺炎は「リウマチ肺炎」とも呼ばれ、リウマチ患者の発症リスクは健康な人よりも高くなります。さらに、骨粗鬆症や貧血なども合併しやすい病気です。関節リウマチ患者が診断された合併症として、骨粗鬆症、貧血、シェーグレン症候群、肺炎、橋本病など甲状腺の病気があります。
保険加入
関節リウマチにそなえる保険選び
関節リウマチは「自己免疫疾患」の一つで、もともと人の身体に備わる免疫の機能が崩れて、体外からのウイルスなどの異物が自己の組織を攻撃することで発症します。
関節の痛みやこわばり、手指、足の指などに障害が現れるのが特徴です。
いったん発症すれば完治は難しく、治療期間が長期におよぶ可能性があります。
さらに、この病気は、症状が悪化するとさまざまな合併症を引き起こすことが知られています。
たとえば、心臓疾患、胃潰瘍、リウマチ肺炎や骨粗鬆症、橋本病など、入院治療のリスクも非常に高くなります。こうした入院に対してそなえるのであれば医療保険が最適です。入院1日当たり給付金が受け取れるうえ、万が一の手術などでも手術給付金もおります。医療保険の比較をすることをオススメします。
では「関節リウマチ」で治療中の人は、保険に加入できるのでしょうか?
自己免疫疾患である関節リウマチは、いったん発症すると「完治」が難しい病気です。適切な治療で症状をおさえて悪化を防ぐことは可能ですが、治療期間は長期におよぶ可能性があります。万が一、症状が悪化すれば手術にくわえて、合併症を併発する恐れは否定できません。
関節リウマチ患者は、入院や手術する確率が持病や既往症がない人たちよりも高くなるため、加入時点で健康な人を対象とした通常の医療保険・死亡保険に申し込むことは大変困難なのです。ただ、がん保険は、適切な治療を続けており、合併症などがなければお申し込みいただける場合があります。
しかし、医療保険や死亡保険への加入を諦める必要はありません。
告知項目を簡素化した「引受基準緩和型」と呼ばれる商品があります。緩和された引き受け基準を満たせばお申し込みいただくことが可能です。
病気やケガの保障はもちろん、保険加入後に治療中の関節リウマチが悪化して入院・手術、あるいは万が一の場合も保障します。
ただし、保険料は通常の医療保険・終身保険よりもやや割高になっているなどの条件があるため、注意は必要です。
※告知項目などの引き受け基準については保険会社によって異なりますので、ぜひ複数の会社をあわせてご検討下さい。
治療法
関節リウマチの治療方法
関節リウマチの原因は完全に解明されてはいません。
しかし、外部から侵入してきたウイルスや細菌を排除する働きがある「免役」が、何らかの原因によって正常に働かなくなり、誤って自らの体内の細胞や組織を攻撃する「自己免疫疾患」の一つと考えられています。
発症原因の特定が難しいため、関節リウマチを完治させることは困難です。
ですので、生活習慣の改善や抗リウマチ薬の服用、リハビリなどによって、寛解(かんかい=病気の症状が軽減または消滅し、安定した状態を保つこと)に持って行くことがリウマチ治療の大きな目的となります。
関節リウマチの治療は主に、「基礎療法」、「薬物療法」、「手術療法」、「リハビリテーション療法」などでおこなわれます。
まず基礎療法では、適度な運動と安静の維持、栄養バランスの良い食事など日常の生活習慣に留意する基本的な治療法です。
さらに、薬物療法は、関節の痛みや腫れを抑えて症状の進行を防ぐことが狙いです。現在、最初に投与されることが多い薬は、抗リウマチ薬の「メトトレキサート」(薬剤名:リウマトレックス、メトレート、メトトレキサート)で、日本では1999年に関節リウマチ治療薬として保険適用が認められています。
世界的に見ても治療の第一選択、標準薬となっています。 関節リウマチの患者で薬を服用している人は約90%にのぼり、そのうち約80%の人がメトトレキサートを処方されています。
「手術療法」は、関節リウマチが進行して薬を飲んでも痛みが改善されない場合や、症状が悪化して関節が破壊されてしまった場合など選択されることがあります。
手術には、腫れている滑膜(かつまく)を関節から取り除く「滑膜切除術」や、関節そのものを切り取って人工関節を入れる「人工関節置換術」、関節の骨どうしをくっつけて固定する「関節固定術」などの術式があります。
関節リウマチの治療に必要な「リハビリテーション療法」は、筋肉の増強や関節の動きの維持などを目的におこなわれます。症状が出始めた初期の段階から実施するのが効果的です。医師や理学療法士の適切な指導を受けながらリハビリをおこなうといいでしょう。
治療費
関節リウマチの治療費用
2018年に某病院にて関節リウマチを治療した40歳女性の治療費実例にもとづき、患者さんが負担しなくてはならない費用の概算を計算しました。
医療にかかる費用 | |
---|---|
①健康保険適用医療費総額 (保険診療分) | 595,770円*1 |
②評価療養・選定療養等の総額(保険外診療分) | 0円*1 |
③医療費総額(①+②) | 595,770円 |
④窓口支払額(3割負担の場合*2①×30%) | 178,730円 |
⑤高額療養費の自己負担限度額*3 | 83,388円 |
⑥高額療養費による割戻額(④-⑤) | 95,342円 |
⑦医療費自己負担額(②+⑤) | 83,388円 |
その他の自己負担費用の概算 | |
⑧入院時食事療養費標準負担額*4 (1食460円×入院日数×3回) | 13,800円 |
⑨差額ベッド代 (1日6,144円×入院日数)*5 | 61,440円 |
⑩雑費(1日1,500円×入院日数)*6 | 15,000円 |
⑪合計自己負担額(⑦+⑧+⑨+⑩) | 173,628円 |
*1①②の治療費は、実在する患者の診療明細から監修医の判断のもと個人情報が特定できないよう修正を加えた金額。
*2 70歳未満のサラリーマンを想定。(組合管掌健康保険または協会けんぽの医療保険制度を利用)
*3 年収約370~770万円の方を想定。自己負担額の計算は、80,100円+((1)-267,000円)×1%。但し、自己負担額が80,100円以下の場合は窓口支払い額とした。
*4 (1)の保険診療の食事療養に係る費用のうち、厚生労働大臣が定める一般の方の1食あたりの標準負担額460円(平成30年4月以降)に対して、1日を3食として入院日数を乗じた金額。
*5 (2)の選定療養のうち、いわゆる差額ベッド代に係る費用。「主な選定療養に係る報告状況」厚生労働省 平成28年7月1日現在より1日あたり平均徴収額(推計)の合計値6,144円に入院日数を乗じた金額。
*6 付添いの家族の食事代や交通費,日用雑貨の購入費等の費用を1日あたり1,500円と仮定し、入院日数を乗じた金額。
関節リウマチは早期に発見して、投薬やリハビリなどで適切な治療を継続しておこない寛解(かんかい=病気の症状が軽減または消滅し、安定した状態を保つこと)を目指すのが一つの目標となります。ただ治療期間は長期に及ぶことが多く、治療にかかる費用の負担は決して小さくありません。
では関節リウマチの治療にはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか。公益財団法人日本リウマチ友の会が5年に1度発行している「2015年リウマチ白書」(以下、「白書」)によると、医療費の自己負担額(月額)は、5,000円未満が全体の約40%を占めてもっとも多いですが、5,000~1万円(15%)、1~3万円(19%)、3万円以上(20%)と金額にはバラつきがあることが読み取れます。特徴的なのは、自己負担3万円以上と回答した人の割合は、2000年の調査では0.8%に過ぎなったのが、2015年は約20%も占めるなど、医療費の自己負担額が上昇傾向にあることです。その一方、自己負担額がゼロ円と回答した人は20%にも上ることは注目すべきです。
その理由として、国や地方自治体はリウマチで治療中の人が活用できる公的な支援制度や保障制度を設けていることがあります。うまく活用することで自己負担額を軽減することが可能なのです。
各種ある支援制度の有効活用を
たとえば関節リウマチで日常の動作が不自由になるなどの障害がある場合、市区町村の窓口で申請手続きを行うと、「身体障害者手帳」の交付を受けられる可能性があります。身体障害者手帳を所持していれば「障害者福祉制度」が活用できます。具体的には、(1)医療費の助成や税金の減免、(2)電車やバスなどの運賃割引、(3)障害年金・手当、(4)日常生活用具・装具などの支給、(5)公営住宅への優先入居など、さまざまな支援が受けられます。ただし実際の支援内容は、身体障害の等級や自治体によって異なります。
また、難病の患者の医療費を助成するための制度として「指定難病医療費助成制度」があります。「悪性関節リウマチ」も対象疾患の1つで、自己負担が上限額を超えるとき、超えた額が都道府県から支給されます。
一方、公的な「介護保険制度」を活用できる可能性もあります。介護保険では、原則として65歳以上の高齢者を対象に給付をしていますが、関節リウマチなどの特定の疾病によって介護が必要な場合は、40歳から介護保険のサービスを利用することができます。
介護保険のサービスの利用範囲は、要介護度によって異なりますが、利用料は原則として1割負担で済みます。介護保険では、訪問介護や訪問リハビリテーション、療養管理指導、ベッド・車椅子・歩行器などの貸与、住宅改修費の補助などさまざまなサービスや支援・助成を受けることができます。
関節リウマチに関しては、このような公的助成が充実しています。ただし治療のためには仕事を退職したり休んだりしなくてはならず、現在の生活を維持するのは難しくなる場合があります。さらに治療費以外の交通費などがかさむことを考慮する必要もあるでしょう。
治療費に関しては、監修医の診療経験に基づく平均的な金額を記載しております。患者の病状や受診される診療機関、治療方法などによって費用は異なります。あくまでも治療費の目安として情報を提供するものです。
監修
大河内 昌弘
プロフィール
平成2年3月名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学病院、愛知県公立尾陽病院で内科医として勤務した後、アメリカルイジアナ州立大学生理学教室に留学。
その後、厚生連尾西病院内分泌代謝科部長、名古屋市立大学消化器代謝内科学 臨床准教授を経て、平成24年10月におおこうち内科クリニック開業。
日本内科学会専門医、日本糖尿病学会専門医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化器病学会専門医、平成15年学位取得。
病気データ
関節リウマチのデータ
厚生労働省の「2017年 患者調査」によると、医療機関にかかっている関節リウマチ患者数は37.3万人と推定されています。患者の年齢層は10歳代から80歳代まで幅広いですが、50歳以上の患者数が多くなっています。男性よりも女性の患者数が大きく上回るのは下のグラフの通りです。関節リウマチは男性よりも女性の発症確率が非常に高い病気なのです。
関節リウマチは、通常の日常生活動作は完全に可能なステージⅠ(初期)から、通常の身の回りの動作を含めてすべての行動が制限されるステージⅣ(末期)まで、関節破壊が段階を踏んで進行していく病気です。早期に適切な治療を行えば症状の進行は抑えられますが、放置していると症状が進行するだけでなく、さまざまな合併症を発症する可能性が高くなります。
症状が進行すれば日常生活も困難になりかねないため、早期発見・早期治療が最も大切な疾病です。患者が活用できる公的な医療制度や福祉制度などがあり、こうした制度を十分に活用しつつ、適切な治療を受けることが病気の進行を食い止めるためにも不可欠です。
目次
よくある質問
「関節リウマチと保険」に関する相談例
持病や既往症がある方向けの保険商品をご案内しているニッセンライフのカスタマーコンタクトセンターには、関節リウマチの方からのご相談が数多くあります。
主な質問とその回答例をご紹介します。
2年前に関節リウマチと診断され、投薬治療とリハビリテーション治療を継続して行っています。幸いなことに症状は悪化することもなく、入院や手術などには至っていません。ただ、今後、病状が悪化することが怖いので、医療保険に加入したいと思いますが、入れる保険はありますでしょうか。
回答はこちら
関節リウマチで治療中の方は、通常の医療保険や死亡保険(終身・定期保険など)へのご加入は困難です。
関節リウマチで治療中の方は、通常の医療保険や死亡保険(終身・定期保険など)へのご加入は困難です。一般に健康な方よりも入院・手術をする可能性が高くなるからです。ただ持病・既往症がある方向けの「引受基準緩和型医療保険」にはお申し込みいただけます。この商品は「過去3ヶ月以内に医師から入院・手術をすすめられていない」、「過去1年(2年)以内に、入院・手術をしていない」、「過去5年以内にがん・肝硬変と診断されていない」―など、3~5項目の簡単な条件を満たせばお申し込みいただけます。ただし通常の医療保険よりも保険料は割高で、加入から1年間は入院・手術などの保障が半額になる場合があるので注意が必要です。
2年前から関節リウマチの治療を続けていますが、指の関節の痛みが増して、日常生活にも支障が出始めています。2ヶ月前にかかりつけ医から「手術をした方がいい」と言われました。今、自分が病気でも加入できる引受基準緩和型の医療保険があると聞いています。今後の手術や入院に備えて加入したいのですが…。
回答はこちら
入院・手術を終えて、1~2年間の一定期間が経過すればお申し込みいただける場合もありますので、治療を終えてから再度お問い合わせ下さい。
申しわけありません。確かに引受基準緩和型医療保険は、持病・既往症が悪化した場合も保障対象としている保険ですが、医師から今後、「入院・手術をした方が良い」と勧められている方はお申し込みいただけません。ただ入院・手術を終えて、1~2年間の一定期間が経過すればお申し込みいただける場合もありますので、治療を終えてから再度お問い合わせ下さい。
1年前から関節リウマチで治療を続けています。通常の医療保険への加入は断られてしまったのですが、がん保険への加入は可能でしょうか。
回答はこちら
関節リウマチの方でも、きちんと治療を続けて症状がコントロールされていれば、がん保険に加入できる可能性は高くなります。
関節リウマチの方でも、きちんと治療を続けて症状がコントロールされていれば、がん保険に加入できる可能性は高くなります。ただし、ほかに合併症や持病・既往症がある場合はお申し込みいただけない場合もあります。
関節リウマチで2年前から治療をしていますが、このままでは医療保険には加入できないと聞いたので、現在は病院に行くのも止めていったん治療をストップしています。通常の医療保険に加入したいのですが…。
回答はこちら
申し訳ございません。関節リウマチで治療中の方は、治療をいったんストップしたとしても通常の医療保険にはご加入いただけません。
申し訳ございません。関節リウマチで治療中の方は、治療をいったんストップしたとしても通常の医療保険にはご加入いただけません。持病が完治した訳ではないからです。持病・既往症がある方向けの「引受基準緩和型医療保険」をご用意していますので、こちらの商品をご検討下さい。
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