賃貸の火災保険をどう選ぶ?~選ぶときのポイント

賃貸住宅の火災保険について調べている方は、「不動産業者が勧められたままに火災保険を契約するのではなく、自分で吟味して選びたい」という考えをお持ちかと思います。
自分で火災保険を見比べたり、内容を吟味することで、ご自身の状況にあった補償内容にすることができるだけでなく、保険料を抑えることができる場合もあります。
この記事では、賃貸住宅の火災保険を検討・比較するときのポイントと注意点を紹介します。
賃貸の火災保険を検討・比較するときのポイント

「自分で賃貸の火災保険を選びたい」という方にチェックしていただきたい、3つのポイントをご紹介します。
3つのポイント
- 指定された借家人賠償責任の保険金額をカバーできているか
- 自分の希望する補償内容になっているか
- 納得できる保険料か
順に詳しく見ていきましょう。
(1)指定された借家人賠償責任の保険金額をカバーできているか
まず重要となるのが、「指定された借家人賠償責任保険の保険金額をカバーできているか」という点です。
賃貸向けの火災保険は、主に次の3つの火災保険で構成されています。
借家人賠償責任保険 | 借りている建物に損害を与えた場合に、賃貸人(大家さん)に対する損害賠償金などの費用が補償される保険 |
---|---|
家財保険 | 自分の家財(家具、衣類など)が受けた損害が補償される保険 |
個人賠償責任保険 | 日常生活で他人に損害を与えた場合などに、損害賠償金などの費用が補償される保険 |
このなかでもっとも重要なのが借家人賠償責任保険です。借家人賠償責任保険への加入は、ほとんどの物件で賃貸借契約の条件となっています。
大家さんから指定された保険金額をカバーできる火災保険に加入しなければなりません。
たとえば「借家人賠償責任保険(保険金額2,000万円以上)」という条件が指定されているのであれば、保険金額2,000万円以上で契約できる火災保険を選ぶ必要があります。
(2)自分の希望する補償内容になっているか
前述のとおり、賃貸向けの火災保険は主に**「借家人賠償責任保険・家財保険・個人賠償責任保険」の3つ**から成り立っています。
メインとなるのは借家人賠償責任保険ですが、部屋の中の大切な財産を守る家財保険や、他人に対し賠償責任を負うリスクに備える個人賠償責任保険は、賢く利用したいものです。
家財保険では、家の中にある家財よりも保険金額が大きいと、その分保険料を余計に支払うことになりますので、保険金額をどれくらいに設定するかがポイントになります。
また、保険商品によっては家財保険や個人賠償責任保険以外にも特約(オプション補償)が用意されていますので、複数の商品を見比べて、どんな補償が必要なのかを明確にするとことが必要です。
(3)納得できる保険料か
新しい家に住むときには、家の敷金や礼金、引っ越し費用、家財の購入など、いろいろ出費がかさみます。そこに火災保険の契約も加わるので、「火災保険の保険料はできる限り安くしたい」という方も多いのではないでしょうか。
そこで**「納得できる保険料かどうか」**も重要な基準となるでしょう。
より安くムダのない火災保険を選びたいのであれば、必ず入居時に勧められた火災保険の補償内容をよく見みて、必要以上の補償額になっていないか、必要のない特約(オプション補償)がついていないかを確認しましょう。また、他の火災保険を調べて複数の保険を比較してみることも大切です。
「必要な補償が得られ、その補償に見合う保険料である」と納得できる保険を選びましょう。
賃貸の火災保険を契約する際の注意点3つ

つぎに、賃貸の火災保険を契約するうえで注意したい点を3つ、ご紹介します。
3つの注意点
- 事前に賃貸借契約書をよく確認する
- 入居時に紹介された火災保険だけでなく、ほかの火災保険とも比較する
- 前住居と重複契約しないようにする
(1)事前に賃貸借契約書をよく確認する
1つめは「事前に賃貸借契約書をよく確認する」ことです。前半でも触れたとおり、賃貸の火災保険は「大家さんに対する賠償」への補償という意味合いが大きいものです。
そのため、大家さんサイドで条件を細かく指定しているケースがあります。大家さんの指定を満たす火災保険への加入が物件の契約の条件となりますから、慎重に確認する必要があります。
具体的には、賃貸借契約書をよく読んで、必要な条件を見逃さないようにしましょう。
(2)入居時に紹介された火災保険だけでなく、ほかの火災保険も比較する
2つめは「入居時に紹介された火災保険だけでなく、ほかの火災保険も比較する」ことです。
多くの場合、物件を仲介した不動産会社から、火災保険の紹介があります。大家さんの指定を満たすものを紹介してくれるため、いわれたとおりに契約すれば条件的には安心です。
補償と保険料のバランスをとるためには、自分でも見積りを取って比較することが大切です。
(3)前住居と重複契約しないようにする
3つめは「前住居と重複契約しないようにする」ことです。
火災保険は途中で解約ができるので、引っ越しの際には前住居の火災保険の解約を忘れないようにしましょう。
なお、保険料を毎月ではなく、年払や一括払で支払っている場合は、解約時に残りの保険期間に応じた保険料相当額が返還されます。
まとめ
賃貸の火災保険を検討・比較するときのポイントは以下のとおりです。
チェックポイント
- 指定された借家人賠償責任の保険金額をカバーできているか
- 自分の希望する補償内容になっているか
- 納得できる保険料か
賃貸の火災保険を契約する際には、次の3点にご注意ください。
3つの注意点
- 事前に賃貸借契約書をよく確認する
- 入居時に紹介された火災保険は他社の見積りと比較する
- 前住居と重複契約しないようにする
自分で知識を身に付けて火災保険を選べば、勧められるままに契約するよりも、自分に補償内容が合っていて、なおかつ保険料が安くなる方法を選択できます。
ぜひ、この記事で身に付けた知識をもとに、賢い火災保険選びをしていただければ幸いです。それが、新居での充実した暮らしにつながることでしょう。