【双子妊娠】管理入院でもらったお金を公開!保険の思わぬ落とし穴も

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【双子妊娠】管理入院でもらったお金を公開!保険の思わぬ落とし穴も

双子を妊娠すると、多くの方が経験する管理入院。保険適用なのか、医療保険の対象なのかがわかりにくいですよね。
筆者の場合、公的な保険や民間の医療保険に助けられたため、大きな負担にはなりませんでした。
一方で、もらえると思っていたのに受け取れなかったお金もあります。

今回は、実際に管理入院をしたときに受け取ったお金についてまとめてみます。これを機に、加入している保険の確認・見直しをしてみてくださいね。

※実際の給付条件は保険約款で定められています。あくまでも給付事例としてご覧ください。
※加入中の保険の給付条件等については、保険会社や保険代理店にあらかじめ確認しておくと安心です。


⇒1分半でわかる!記事のまとめ動画はコチラ!

双子妊娠!管理入院でもらえたお金

管理入院の定義は病院によっても異なりますが、筆者の場合は切迫早産と診断されてから、①自宅安静→②入院→③手術→④退院→⑤自宅安静→⑥入院→⑦出産という経過をたどりました。

今回の記事では、②③⑥の期間を管理入院として、受け取った金額をお伝えします。

【合計管理入院日数】

37日間

【保険給付金額(もらえたお金)】

49万5,000円

双子を妊娠したときの管理入院では、約50万円もの保険給付金が受け取れました。保険に加入していて助かった瞬間です。

給付金の内訳は、
入院給付金 1万円×37日=37万円
入院一時金 2万5,000円
手術給付金 10万円
合計 49万5,000円
です。

同じように保険に加入している方は、管理入院で給付金を受け取れる可能性が高いです。保険の給付条件を確認してみましょう。

筆者の場合は日額5,000円のプランに加入していたものの、女性疾病特約をつけていました。そのため、入院給付金は2倍の金額が受け取れたのです。

筆者のように切迫早産で手術治療を受けるケースは稀かもしれません。しかし双子妊娠では管理入院の可能性が高いため、保険が心強くなることは間違いありません。

知らなかった!管理入院でももらえなかったお金

逆に、てっきり受け取れると思っていたのに対象外だったものもあります。
それが入院一時金。
先ほど入院一時金を2万5,000円受け取れたと言いましたが、実はもう一回もらえると勘違いしていたのです。
というのも、筆者は妊娠期間中に入院と退院を繰り返しました。

もう一度妊娠の経過を書くと、①自宅安静→②入院→③手術→④退院→⑤自宅安静→⑥入院→⑦出産です。
②と⑥で2回入院しているので、それぞれで入院一時金が受け取れると思いませんか?

実は、一般的に同じ病気を原因として再度入院した場合は、前回の入院とあわせて「継続した1回の入院」として扱われます。(180日を経過して再度入院した場合は別入院)
今回の入院も、原因は同じ妊娠です。入退院を繰り返しても、同じ妊娠のため入院一時金は1回限りの給付になりました。

上の図のとおり、入院給付金の支払限度日数にも注意が必要です。
ほとんどの医療保険では、1回の入院での支払限度日数が決められています。

たとえば支払限度日数が60日の場合、同じ妊娠で入院→退院→入院と繰り返した場合、通算して60日を超えると入院給付金が受け取れません。
長くなりがちな管理入院に備えて、支払限度日数も確認しておきましょう。

【保険の確認ポイント】

  • 入院給付金は1日あたりいくらか
  • 入院一時金はあるのか
  • 手術給付金はいくらか
  • 女性疾病で上乗せされるプランかどうか
  • 入院給付金の支払限度日数は何日か
関連記事:妊娠・出産前って保険は必要?女性のための医療保険知識

管理入院は保険適用!でも予想外の出費も

そもそも、管理入院にはどれくらいの費用がかかるのかも気になりますよね。
基本的に双子妊娠による管理入院は保険適用(3割負担)で、さらに所得によって月々の上限額が決まっています。高額療養費制度といって、1日~末日までの自己負担額が下記の限度額を超えた場合、あとから申請すると返ってくるのです。

【高額療養費の自己負担限度額一覧】

※詳しくは加入先の健康保険窓口でご確認ください。
所得区分月々の自己負担限度額
年収約1,160万円~25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1%
年収約770~約1,160万円16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
年収約370~約770万円8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
~年収約370万円5万7,600円
市区町村民税の非課税者等3万5,400円

たとえば年収が約370万円未満なら、どれだけ医療費がかかっても月5万7,600円の負担ですむということです。ただし管理入院は長くなりがち。上限があると言っても、数カ月払い続ければ負担になります。

さらに予想外の出費にもおどろきました。それは個室利用料と雑費。
筆者が通っていた個人の産婦人科では、1人部屋か2人部屋かを選べました。個室に差額ベッド代がかかることは知っていたのですが、2人部屋も個室扱いになるということを知らなかったのです。

同じように、条件を満たしていれば2人部屋や4人部屋でも差額ベッド代が発生する病院があります。入院の際にきちんと確認しておきたいですね。

また病院によって設備が違う点にも注意しましょう。一般的に公立の総合病院では、自分で揃えないといけない物が多いです。入院に関する費用のうち雑費とよばれるもので、もちろん健康保険の適用外です。

筆者の場合は管理入院の途中で、個人の病院から総合病院に移りました。総合病院に移ってから用意したものにはこんな物があります。

  • ゴミ箱
  • おはし、スプーン
  • コップ、ストロー
  • 授乳ができるパジャマを何着か
  • 産褥セット
  • スリッパ
  • テレビカードやイヤホン


これらは全て、個人病院では無料で貸出・支給されました(その分、分娩費用が高いケースもあります)。病院によって支給されるもの・自分で用意するものは違います。これらの雑費はすべて自己負担なので、きちんと把握しておきましょう。Wi-Fiが使える環境かも要確認です。

もし上にきょうだいがいる場合、お世話をしてもらうための費用が発生することもあります。お母さんが管理入院することによって、家事や育児を家族で協力できるのか、代行サービスに頼るのかなど、世帯全体での出費を把握することが大事です。

【管理入院にかかる費用のポイント】

  • 管理入院の医療費は、基本的に健康保険が適用されるので3割負担
  • 高額療養費制度に助けられるが、入院が長引けば負担になる
  • 差額ベッド料や雑費など、保険適用外の出費も多い
  • きょうだいがいる場合、家事代行などの費用がかかることも。病院の費用だけでなく、家計全体の出費を把握する必要がある

頼みの高額療養費、意外な落とし穴も

管理入院は基本的に健康保険が適用されるため、高額療養費制度が使えます。
でも知らないとびっくりする注意点もあるため、ここでは高額療養費制度について補足します。


高額療養費制度は月ごとに適用

月々の自己負担を一定額までに抑えられる高額療養費制度ですが、その計算期間に注意が必要です。

同じ15日間の入院でも、
①1月1日~1月15日
②1月20日~2月3日
では、②の医療費が高くなります(医療費が自己負担上限額を超える場合)。

これは自己負担限度額の計算を1日~末日までで計算しているためで、月をまたぐとリセットされるからです。

実際に筆者も月末に入院したため、月初に入院した場合に比べて自己負担額が高くなってしまいました。

限度額適用認定証を事前にもらえば、立て替える必要もない

いくら高額療養費制度があるといっても、お金が返ってくるのは請求してから3~4か月後です。いったん立て替えるとなると、少なからず負担になるでしょう。
入院が決まった時点で、事前に限度額適用認定証を申請しておくと安心です。これを提示することによって、支払の時点で限度額までに抑えられるのです。

ただし限度額適用認定証には有効期限があります。加入先の保険によって期間や期限が異なるため、必ず申請のときに確認しておきましょう。

帝王切開なら、公的保険・民間の保険ともに対象

双子妊娠の管理入院では、民間の保険も公的な健康保険も支えになると言いました。実は筆者は帝王切開で産んだため、出産費用も保険に支えられたのです。

本来、出産費用は保険の対象外。しかし帝王切開などの異常分娩の場合は、保険が適用されます。

自然分娩異常分娩(帝王切開など)
健康保険×
民間の医療保険×※支払条件を満たした場合
出産育児一時金
(家族出産育児一時金)
〇(1児につき42万円。双子なら84万円)
※産科医療補償制度未加入を除く

参考までに、筆者が出産時に受け取ったお金をまとめてみます。

【入院日数】

16日間(管理入院から連続しているため、出産日から退院日までとしています)

【保険給付金額(もらえたお金)】

26万円

【給付金の内訳】

入院給付金:16万円
手術給付金:10万円

【出産育児一時金差額】

約20万


出産育児一時金(家族出産育児一時金)は、双子の場合84万円が受け取れます(産科医療補償制度に加入している場合)。出産費用がこの金額を超えない場合、申請すれば差額が受け取れるのです。筆者の場合、約20万円を受け取れました。

ただし帝王切開の出産では個室を選択する可能性が高く、入院日数が長くなるケースも多いです。出産費用が総額いくらになるのかは、現時点で予想するのが難しいでしょう。
今できることとして、いざというときの申請先・申請方法を加入している健康保険に確認しておくと安心です。

関連記事:医療保険制度とは?損しないために押さえておきたい4つのポイント

管理入院に備えて医療保険に加入するのはあり?


入院・出産の助けとなる医療保険。今保険に加入していない方は、もしかすると「今からでも加入したい」と思うかもしれません。現在妊娠中の方でも、週数によっては保険に加入できる可能性があります(保険商品によって加入条件が異なります)。ただし、現在の妊娠に関しては保障の対象外です。

管理入院になりそうだからと医療保険を探しても、現状難しいでしょう。公的な健康保険を活用することが大事です。

今回の妊娠は保障の対象外ですが、妊娠や出産だけがリスクではありません。とくに産後は体力の低下から体調を崩すことも多いため、出産後に備えて医療保険を検討するのもひとつでしょう。
ただし今回の妊娠が帝王切開だった場合、次の妊娠出産に備えた保障を希望するなら緩和型が選択肢になります。通常の医療保険では「妊娠・出産は保障対象外」などの条件が付く可能性が高いからです。

また妊娠中に検討したい保険には、学資保険もあります。教育費のために学資保険を活用するなら、妊娠中など早めに検討することでオトクになるケースもあります。
家族の保険について少しでも疑問点があるなら、ぜひ保険の専門家に相談してみましょう。

管理入院を支えてくれた保険のまとめ

筆者が双子を妊娠して管理入院になった際、支えとなった保険についてご紹介しました。

  • 民間の医療保険で、管理入院と出産(帝王切開)あわせて75万円以上受け取れた
  • 公的な健康保険では、高額療養費や出産育児一時金(双子だと84万円)に支えられた
  • ただし管理入院では予想外の出費もある

お金がかかりそうな管理入院ですが、加入している保険があれば大きな支えになります。今のうちに下記の確認をしておきましょう。

  • 民間の医療保険で、管理入院と出産(帝王切開)あわせて75万円以上受け取れた
  • 公的な健康保険では、高額療養費や出産育児一時金(双子だと84万円)に支えられた
  • ただし管理入院では予想外の出費もある

出産後は楽しくも慌ただしい双子育児が待っています。今のうちに、制度やお金に対する疑問を解決しておきましょう。

※本文中に記載した金額は、すべて筆者の体験談です。お住まいの自治体、入院先の病院、妊娠の経過、加入している保険等によって異なります。

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この記事を書いた人
太田太田

保険代理店のニッセンライフの一員として保険比較総合サイト「WillNavi」の運営に携わって2年。母親目線で保険のことをわかりやすくお伝えいたします。

出典

「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

掲載内容は執筆時点の情報であり、変更される場合があります。
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