火災保険は空き家でも契約できる?契約するための注意点を解説
「空き家でも、火災保険を契約できるの?」
「空き家は火災保険料が高いと聞いたけど、本当?」
空き家の火災保険契約では、こうした疑問や不安が出てきますよね。
結論から言えば、空き家でも火災保険の契約は可能です。
ただし契約時の条件は厳しく、火災保険料は高くなる傾向があります。
当記事では空き家で火災保険を契約できるケースから火災保険料が高くなる理由、契約時の注意点までくわしく解説していきます。
「空き家の火災保険契約や保険料に不安がある」という方は、参考になさってください。
空き家でも火災保険は加入できるが、契約条件は厳しめ
空き家でも火災保険の契約は可能ですが、一般的な住宅用の火災保険と比べると、契約条件は厳しめです。
ここでは
- 空き家でも火災保険を契約できるケース
- 保険会社によって引き受け条件が異なる
という点について、くわしく解説していきます。
空き家でも火災保険を契約できるケースとは
空き家でも比較的火災保険を契約しやすいのは、空き家自体が「住宅物件として取り扱える状態」になっているケースです。
たとえば
- 単身赴任など転居によって一時的に空き家になってしまう持ち家
- 夏だけ・冬だけなど、別荘として使用する季節的な空き家
といったケースが考えられます。
上記ケースの場合、一時的に物件が空き家状態にはなるものの、物件の使用用途自体は、人が住むことですよね。
そのため保険会社によっては空き家でも通常の住宅物件と同じ扱いとなり、一般的な「住宅物件専用の火災保険」を契約できる可能性が高いのです。
では人が住む予定がなく、物置きとして利用する空き家はどうなるのでしょうか?
実は人が住む予定がない空き家でも、店舗や事務所など「一般物件専用の火災保険」を取り扱っている保険会社であれば、契約できる可能性はあります。
ただし住宅物件専用の火災保険と比べて、契約の引き受け自体は厳しくなりやすいです。
つまりまとめると、
- 空き家が「人が住む住宅物件」に該当
→「住宅物件専用の一般的な火災保険」に契約できる可能性が高い - 空き家が「人は住まない一般物件」に該当
→「一般物件(事務所など)専用の火災保険」に契約できる可能性があるが、住宅物件より条件は厳しくなりがち
ということになります。
いずれも「可能性がある」という表現なのは、契約の最終判断は空き家の現在の状況、今後の状況、保険会社によって異なるからです。
空き家の物件種別をどう判断するか、また契約を引き受けるかどうかは保険会社によって変わってくるので、上記に挙げたケースでも100%契約できるとは限りません。
空き家の火災保険契約はあくまでケースバイケースだということは、覚えておいてください。
保険会社によって引き受け条件は異なる
先述のとおり空き家で火災保険を契約できるかどうかは、保険会社の判断によって異なります。
ひと口に「空き家」と言っても、物件の状態はさまざまですよね。
家具付きで人が住める状態のきれいな空き家もあれば、老朽化が進み、今にもつぶれそうな空き家もあります。
こうした空き家物件の状態を「住宅物件」とみなすか「一般物件」とみなすか、また契約の引き受けを判断するのは保険会社です。
そのため火災保険の契約を考えたときはまず
- 空き家の状況や物件の用途を明確にしておく
- 複数の保険会社に問合せ、契約条件をくわしく確認しておく
ことが大切ですよ。
空き家の火災保険料が高くなりやすい理由
空き家で火災保険を契約する場合、一般的な住宅の火災保険と比べて火災保険料が高くなる傾向があります。
火災保険料が高くなりやすいのは、上述した空き家の物件種別によるものです。
空き家の火災保険料は物件種別で決まる
個人が所有する空き家で火災保険を契約する場合、火災保険料は空き家の物件種別によって決まります。
<個人が所有する空き家で契約する火災保険の物件種別> | |
住宅物件 | 住居としての利用に限られる物件 →別荘や一時的な転居による空き家であれば、「住宅物件」と見なされる可能性がある |
---|---|
一般物件 | 事務所や店舗として利用される物件 →物置きとして利用するなど人が住まない・住めない状態の空き家であれば「一般物件」と見なされる可能性がある |
上記のうち、「住宅物件」に該当する空き家であれば一般的な住宅と同様の火災保険に契約しやすく、火災保険料も手ごろなケースが多いです。
反対に「一般物件」に該当する空き家の場合、住宅物件に比べて火災保険料は割高になる傾向があります。
ただ火災保険料は空き家の状態や保険会社の判断、補償内容によっても変わるため、「一般物件だから絶対に高い」とは言い切れません。
そのため複数の保険会社で見積もりを取り、比較することが大切です。
空き家で火災保険を契約するときの注意点3つ
空き家の火災保険契約は条件が厳しく、保険料も割高になりがちです。
だからといって火災保険にも入らず空き家を放置すれば物件状態はさらに悪化し、より管理コストがかかる可能性も出てきます。
空き家を適切に所有していくためには、火災保険の契約は必要と言えるでしょう。
ここでは火災保険契約時の注意点を3つ、お伝えしていきます。
①空き家の現況を細かく確認しておく
空き家で火災保険を契約するときは、契約者自身がしっかりと空き家の現況を把握しておくことが大切です。
何故なら建物の老朽化がどれほど進んでいるか、家財はどの程度あるのかなどで、契約の内容は大きく変わってくるからです。
空き家の状況を細かく確認しておけば不要品の処分もしやすいですし、老朽化による種々の事故を未然に防ぐこともできるでしょう。
空き家の維持・管理をしやすくするためにも、保険会社で適切な見積もりを出してもらうためにも、空き家の現況確認は定期的に行いましょう。
②今後の空き家の維持・管理をどうするかある程度決めておく
家族間で話しあい、今後空き家をどのように維持・管理していくかを決めておくことも大切です。
空き家は所有しているだけでさまざまな管理コストがかかりますし、放っておくだけで老朽化も進みます。
いずれは家族の誰かが住むために所有するのか、メンテナンスして賃貸に出すのか、いっそ売却してしまうのか。
今後の選択肢をある程度しぼっておけば、火災保険の補償内容や保険期間も決めやすくなるはずです。
火災保険の契約をしたことで安心して空き家を放置してしまえば、どんどん管理が面倒になっていきます。
物件状況が悪化すれば維持するのも処分するのも大変になるので、空き家の今後をどうするのかは、できる限り早く決めておきましょう。
③複数の保険会社で見積もりを取る
空き家で火災保険契約をするときは、できる限り複数の保険会社で見積もりを取るようにしてください。
空き家にかかる火災保険料も契約の引き受けも、保険会社の判断で決まります。
ひとつの保険会社で契約の引き受けが断られても、もう一社では契約できるかもしれませんし、火災保険料の設定も違うはずです。
ただでさえ空き家の火災保険契約は、条件が厳しくなりがちです。
少しでも良い条件で契約できるように、さまざまな保険会社で見積もりを取り、空き家にかかる維持コストを抑えるようにしましょう。
まとめ
空き家でも火災保険の契約は可能ですが、一般の住宅と比べて契約条件は厳しくなりがちです。
そのため契約時には、下記のポイントに気をつけてください。
- 契約条件や引き受け判断は、空き家の状況や保険会社の判断によって異なる
- 空き家の物件種別が「一般物件」になる場合、一般の住宅より火災保険料は高くなりやすい
- 空き家の現況を細かく確認し、複数社で見積もりを取るようにする
- 家族で話し合い、今後の空き家の維持・管理の方向性をある程度決めておく
空き家の火災保険契約は少し面倒ですが、空き家を放置すれば契約はもっと大変になりますし、管理コストはさらに高くつくでしょう。
空き家を所有している方は上記のポイントに気をつけ、早めに火災保険契約をすませるようにしてください。