火災保険の10年一括払の相場は単年に比べて割安?事例を紹介
「火災保険の10年一括契約の相場っていくらくらいなのだろう?」
「長期で一括契約をすると安くなるっていうけど、どれくらい安くなるの?」
記事をご覧のあなたはそんな疑問をお持ちではないでしょうか。
火災保険加入の際、長期での一括契約がお得だと勧められても、相場を知らないと判断に困ってしまいますよね。
結論からいうと、火災保険を長期で契約し、一括払いしたときの相場は、1年契約を複数年契約する場合より割安になることが多いです。
記事では、長期一括払の保険料相場について説明します。
読んで頂ければ、一括にすると保険料がなぜ割安になるのか?どのくらい安くなるのか?がわかります。
さらに、長期一括契約を選ぶ前に、知っておくべき3つのことを解説します。
ポイント
- 10年一括払は最初の保険料負担が大きい
- 保険の見直しがおろそかになりがち
- 途中解約のリスクについて
これらをおさえておけば、長期契約にすべきかどうかの判断がしやすくなり、契約後に後悔するようなこともありません。
記事を参考に、安心で無理のない自分に合った保険を選んで頂けたらと思います。
火災保険長期一括払の相場は、1年契約より割安になりやすい
保険会社は各々で契約年数ごとに「長期係数」という数値を定めており、年間保険料に長期係数を掛けたものが長期契約時の保険料になるのです。
長期係数は、契約が長期になるほど値が大きくなる=保険料の割引率が上がります。
つまり火災保険を5年契約にすると、1年契約に比べ割安になりやすく、10年契約にすればさらに保険料が安くなる可能性があるのです。
ただし火災保険は一括払いのところが多いので、長期契約では1度に支払う保険料の負担が大きくなります。
長い目でみれば割安ですが、1度に大金を支払わなければならないということも心に留めておきましょう。
10年一括契約を選択する上での注意点ついては、3章の「10年一括契約する前に知っておくべき3つのこと」で詳しく解説しますので参考にしてください。
相場がわかる!保険会社別、長期一括払保険料
この章では相場を知っていただくために、当社が運営する保険料比較サイト、Will Naviで算出した5年一括払いの保険料をご紹介します。
各社の相場をしっかり把握して、ぜひ保険選びの参考にしてくださいね。
さっそく以下の保険会社別に、火災保険5年一括払契約の保険料をご紹介します。
比較する4社
- 【損害保険ジャパン株式会社】THE すまいの保険
- 【楽天損害保険株式会社】ホームアシスト
- 【東京海上日動火災保険株式会社】トータルアシスト住まいの保険
- 【ジェイアイ傷害火災保険株式会社】iehoいえほ
- 建物の種類
- 一戸建て
- 建物構造
- T構造
- 所在地
- 東京都
- 火災保険
-
建物 2,000万円
家財 500万円
- 保険料払込方法
- 長期一括払
- 保険期間
- 5年
- 保険始期日
- 2020/9/1
-
楽天損保ホームアシスト保険料75,200円保険料の内訳
- 建物
- 51,000円
- 家財
- 24,200円
-
ジェイアイiehoいえほ保険料81,828円保険料の内訳
- 建物
- 52,802円
- 家財
- 29,026円
-
東京海上日動トータルアシスト住まいの保険保険料83,780円保険料の内訳
- 建物
- 59,360円
- 家財
- 24,420円
-
損保ジャパンTHE すまいの保険保険料98,540円保険料の内訳
- 建物
- 69,740円
- 家財
- 28,800円
商品画像 |
||||
---|---|---|---|---|
商品詳細 |
ホームアシスト | iehoいえほ | トータルアシスト住まいの保険 | THE すまいの保険 |
保険会社名 |
楽天損害保険 | ジェイアイ傷害火災保険 | 東京海上日動火災保険 | 損保ジャパン |
火災、落雷、 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
風災、ひょう災、 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
水災 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
破損・汚損 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
盗難 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
騒じょう |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
外部からの落下・飛来など |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
商品画像 |
||||
---|---|---|---|---|
商品詳細 |
ホームアシスト | iehoいえほ | トータルアシスト住まいの保険 | THE すまいの保険 |
保険会社名 |
楽天損害保険 | ジェイアイ傷害火災保険 | 東京海上日動火災保険 | 損保ジャパン |
費用保険金 |
損害防止費用 水道管修理費用 緊急時仮住い費用 錠前交換費用 地震火災費用 特別費用(建物全損の場合のみ) |
残存物取片付け費用 損害防止費用 失火見舞費用 地震火災費用 |
損害範囲確定費用 残存物取片づけ費用 損害拡大防止費用 失火見舞費用 修理付帯費用 地震火災費用 水道管凍結修理費用 請求権の保全・行使手続き費用 仮修理費用 |
残存物取片づけ費用 損害防止費用 地震火災費用 凍結水道管修理費用 |
免責 |
風災等リスク免責なし 破損等リスク免責あり(1万円) |
破損等リスクのみ免責あり(1万円) |
破損等リスクのみ免責あり(5千円) |
破損等リスクのみ免責あり(1万円) |
適用されて |
築浅割引 |
築年数別割引 |
||
その他条件 |
家財に対する破損等リスクの保険金額(支払限度額)50万円 災害時諸費用補償対象外特約 |
フランチャイズ金額0万円(風災・ひょう災・雪災の建物に対する補償のみ10万円) 家財に対する破損等リスクの保険金額30万円 |
家財に対する破損等リスクの保険金額30万円 |
※保険商品には補償設定や免責事項など詳細な要素があり、それによって保険料は変動します。 表記の保険料はあくまでも目安です。
・表示している保険料は、試算条件に基づき計算した概算保険料から地震保険料を引いた金額です。実際の保険料は、所在地、建築完成年月日、建物面積、耐震・免震性能等により計算されます。具体的な保険料のお見積もりなど詳しくは、ニッセンライフにお気軽にお問合せください。
【楽天損保「ホームアシスト」】2020年4月1日以降に保険開始となる契約より、ご契約建物の所在地の水災リスクに応じた保険料(4区分)となっています。表示している保険料は、水災リスクが一番小さい所在地の保険料(4区分のうち、一番低い保険料)となります。 ご契約建物の所在地により保険料が異なりますので、詳しくは、ニッセンライフにお問合せください。
5年で契約した場合の相場は以上です。10年一括払いにすれば、上記で示した保険料を単純に2倍するよりも、割安になる可能性が高いといえます。
10年一括契約する前に知っておくべき3つのこと
ここまで読んでこられたあなたは、長期一括契約にかなり気持ちが傾いているのではないでしょうか。
お得に加入できる可能性が高いことは間違いありませんが、契約の判断をする前に知っておいた方がいい注意点が3つあります。
3つの注意点
- 10年一括は最初の保険料負担が大きい
- 保険の見直しがおろそかになりがち
- 途中解約のリスクについて
(1)10年一括は最初の保険料負担が大きい
火災保険は一括払いのところが多いので、5年や10年などの長期一括契約は、短期契約に比べ1度に支払う保険料の負担がかなり大きくなります。
長い目でみれば割安ですが、すでに住宅ローンなどで銀行から多額の借入をしているというような場合は、慎重に検討しましょう。
本来生活の安心のために加入する保険で、日々の暮らしが逼迫(ひっぱく)したのでは意味がありません。
ただし保険会社によっては、長期契約の保険料を月払いや年払いなどの分割払いに変更できるところもあります。
その場合、支払う保険料の総額は少し高くなりますが、それでも短期契約よりは割安です。
大きな負担は避けたいけれど10年一括を検討したいという人は、分割払いが可能かどうか保険会社に相談してみるのも一案です。
(2)保険の見直しがおろそかになりがち
10年一括契約をした場合、短期契約に比べ保険料など契約内容の見直しがおろそかになりがちです。
長期契約をしたからといって保険の見直しができないわけではないので、ときどきは保険会社の資料やWEBサイトなどをチェックするようにしましょう。
短期契約であれば定期的に更新の案内が届くので、そのたび見直すのですが、更新までの間隔が長い10年契約では気付かず時を経てしまうことが多いのです。
10年の間には、新商品が出たり、特約に変化があったりと、保険商品も変わります。
契約したまま放置しておくと、お得な情報を逃してしまうこともあります。
長い契約期間の途中で補償を減らしたり、増やしたり、あるいは解約して加入しなおすことも可能ですので、年に一度は必ず保険内容を見直すようにしてください。
(3)途中解約のリスクについて
10年一括での契約をする前に、途中解約したらどうなるかをしっかり把握しておきましょう。
補償期間を残したまま家を売却するような事態が起きないとも限りません。
その場合、長期契約の火災保険は途中解約しなければならなくなります。
保険料を一括(一時)払いした場合、途中解約をすると、残った期間の保険料は未経過保険料として戻ってきます。
保険会社は各々、途中解約の際に払い戻す保険料について**「未経過料率(払戻率)」**というものを設定していて、未経過保険料はこの「未経過料率」に応じて算出されるのです。
例として損保ジャパンが公表している未経過料率をご覧ください。
解約する時期(保険期間10年の場合) | 未経過料率 |
---|---|
1年で解約 | 88% |
2年で解約 | 78% |
3年で解約 | 69% |
4年で解約 | 59% |
5年で解約 | 49% |
6年で解約 | 39% |
7年で解約 | 29% |
8年で解約 | 19% |
9年で解約 | 9% |
※2019年10月1日以降始期契約の場合
未経過料率は会社によって多少違いますが大きな開きはありませんので、上記を使って具体的にはいくらになるのかをみてみましょう。
10年一括の保険料を15万円と設定して計算します。
解約する時期 | 10年一括保険料×未経過料率 | 払戻金額(解約による損害) |
---|---|---|
1年で解約 | 150,000×0.88=132,000 | 132,000円(△3,000円) |
2年で解約 | 150,000×0.78=117,000 | 117,000円(△3,000円) |
3年で解約 | 150,000×0.69=103,500 | 103,500円(△1,500円) |
4年で解約 | 150,000×0.59=88,500 | 88,500円(△1,500円) |
5年で解約 | 150,000×0.49=73,500 | 73,500円(△1,500円) |
6年で解約 | 150,000×0.39=58,500 | 58,500円(△1,500円) |
7年で解約 | 150,000×0.29=43,500 | 43,500円(△1,500円) |
8年で解約 | 150,000×0.19=28,500 | 28,500円(△1,500円) |
9年で解約 | 150,000×0.09=13,500 | 13,500円(△1,500円) |
※未経過料率は保険の種類などによって異なります。
※払戻金は解約月数によっても変動します。
いかがでしょう。大きな額ではありませんが、途中解約した場合、このように多少とも損をするということをリスクとして覚えておきましょう。
未経過料率は各社で違うので、契約前にかならず確認するようにしてください。
10年一括契約はこんな人にオススメ!
最後に、「10年一括のような長期契約はどんな人にオススメしたいか?」 一方で、「短期契約に向いている人はどんな人か?」 を挙げておきたいと思います。
断定するわけではありませんが向き不向きはどうしてもありますので、どちらにするか判断に迷ってしまったときは、ぜひ参考にしてください。
10年一括契約向き
- 少しでも総額の保険料を安くしたい人
- 補償範囲は減らさず保険料を安くしたい人
- 引越しや家の売却の可能性が少ない人
- 頻繁に保険の見直しなどはしたくない人
1年や2年などの契約向き
- 一度に支払う保険料を安くおさえたい人
- ローンなどを抱えていて高い保険料を一括で支払うのが負担になる人
- 1年(3年)ごとに保険を見直して、その時々に良いと思う保険に加入したい人
「一度に支払うことは負担だが10年一括契約に魅力を感じる」という方は、保険会社によって分割払いができるところもあります。
見直しについては10年契約であっても変更はできるので、長く放置せず時々チェックすることをオススメします。
そのほか、補償範囲や条件は各社で違うので、数社から見積りを出してもらい、しっかり相談をした上で長期契約をするかどうか判断するようにしましょう。
それでも迷うなら相談してみよう
長期一括契約の相場をお伝えしてきましたが、火災保険の保険料は非常に複雑で、同じ条件であっても保険会社によって保険料にはバラつきがあります。
見積りを取ってみなければ正確な料金を把握することは難しいため、契約前に数社の見積りを取って見比べてから判断することをオススメします。
とはいえ、何社も連絡をとって見積りを取り寄せるのには手間がかかりますよね。
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入力が必要なのは以下の17項目だけです。
たった17項目!
- 建物構造(一戸建て・マンション(階数))
- 所在地
- ローン利用の有無
- 建物完成年月(予定含)
- 建物面積
- オール電化住宅か否か
- ホームセキュリティ導入の有無
- 太陽光発電システムやエネファーム設置の有無
- 風災・ひょう災・雪災リスク補償が必要か否か
- 水災補償が必要か否か
- 盗難・水濡れリスクが必要か否か
- 外部からの物体落下、飛来によるリスク補償が必要か否か
- 建物補償額
- 地震保険を付帯するか否か
- 家財保険を付帯するか否か
- 補償開始日の希望
- 保険期間の希望(1年〜10年)
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他にも火災保険の契約について迷われたり不明点がある場合、お困りの場合は当社までご相談ください。
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まとめ
火災保険を長期一括払いにすると、条件が同じであれば1年契約を10年または5年契約した場合に比べて1年間あたりの保険料は割安になる可能性が高いです。
とくに割安になりやすいのは10年一括払いですが、3つの注意点があります。
3つの注意点
- 最初の保険料負担が大きい
- 保険の見直しがおろそかになりがち
- 途中解約のリスクがないわけではない
前もって知って対策をたてておけば、正しい判断ができて後悔するようなことはありません。 記事を参考に、自分に合ったベストな保険を選んで頂けたらと思います。
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JI2019-743