保険料のしくみ「標準利率と予定利率」

標準利率と予定利率は、保険料の計算に関係している

標準利率は責任準備金を積み立てる利率のこと

生命保険の保険料は、予定死亡率、予定利率、予定事業費率の3つの「予定率」を用いて計算します。ここでは、予定利率と、それに影響を与える標準利率の関係を見ていきます。

標準利率は、保険会社が将来の保険金などの支払いに備えて積み立てる「責任準備金」を積立てる利率のことです。生命保険会社には、国(金融庁)が定めた標準利率などを使って責任準備金を積立てることが義務づけられています(一部、対象外の商品もあります)。

この「標準責任準備金制度」は、1996年の保険業法の改正で導入されました。導入当時の標準利率は2.75%でしたが、低金利の影響を受けて段階的に引下げられています。具体的には、1999年4月に2%、2001年4月に1.5%、2013年4月に1%、2017年4月に0.25%に変更されています。

標準利率は、毎年10月時点の10年国債の応募者利回りの過去3年間の平均値と、過去10年間の平均値の低い方に安全係数を見込んで算出され、その時点の標準利率と0.5%以上離れていたら、0.25%の整数倍の利率に変更することになっています。変更時期は、翌年の4月1日以降です。

このルールは、平準払い(月払い・半年払い・年払いなど)のもので、終身保険や養老保険、個人年金保険などの一時払いについては、もっと機動的に変更できるよう、毎年1月・4月・7月・10月の年4回見直されます。

予定利率は標準利率の影響を受ける

生命保険会社は保険料の一部を将来の保険金などの支払いに備えて積立てて運用しており、その運用で得られる運用利回りが予定利率です。保険料は予定利率が高ければ安く、低ければ高くなるというシーソーの関係にあります。

標準利率と予定利率は保険料を計算する上では別物で、生保会社には予定利率を標準利率に連動させて上げ下げする義務はありません。ですから、生保会社は各社の経営判断で独自に予定利率を決めています。しかし、予定利率を標準利率より高くし過ぎると、多くの責任準備金を計上しなければならず、生保会社の負担が増して経営を圧迫します。

ですから、標準利率の引下げが行われるときには、予定利率を標準利率よりやや高めに設定し、予定事業費率を見直すなどで新契約の保険料が大幅に上がらないよう経営努力をしています。

標準利率と予定利率は、完全に連動しているわけではありませんが、標準利率の変更は予定利率に影響を与えていることは確かです。

標準利率と予定利率は保険料を計算する上では別物。 でも、予定利率は標準利率の影響を受ける

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