死亡に関する保険「積立利率変動型終身保険」

積立利率変動型終身保険ってどんな保険?

死亡保険金や解約返戻金が変動する積立利率変動型終身保険。その特徴やメリット、どんな人に向くか、そしてそのトレンドについて整理しておきましょう。

積立利率変動型終身保険の特徴やメリットは?

積立利率変動型終身保険は、一生涯の死亡にそなえる終身保険の一種です。通常の終身保険は、加入時の予定利率にもとづき、受け取れる死亡保険金や解約返戻金が決まっています。それに対し「積立利率変動型」は、市場の金利を元に一定期間ごとに積立利率を見直すことで、将来、受け取る保険金や解約返戻金が変動します。

終身保険は生涯にわたっての契約になるため、その間の景気の変動や物価の上昇など金利情勢の変化が考えられます。解約返戻金を受け取ったり、死亡保険金が支払われるころには、今よりも物価が上がっているかもしれません。こうしたインフレリスクにそなえられる可能性があるのが、この保険の強みといえます。

市場の金利によっては積立利率が下がることもありますが、これ以上は下がらないという最低保証の積立利率が設定されているので、死亡保険金や解約返戻金が大幅に減ってしまう心配はしなくてもいいでしょう。ただ、日本の景気が上向かず、停滞もしくは下降傾向にある場合は、この保険のメリットがいかせません。また、最低保証はあるものの解約返戻金は元本割れしてしまう場合もあります。

積立利率変動型終身保険とよく似た名前の「利率変動型積立終身保険」という商品がありますが、これはアカウント型と呼ばれるもので、まったくの別商品なので混同しないよう注意しましょう。

図1 積立利率変動型終身保険のイメージ


図1 積立利率変動型終身保険のイメージ

積立利率変動型終身保険はどんな人にむいているの?

保障設計において、積立利率変動型終身保険はどんな人にむいているのでしょうか。それは、かけ捨ての保険はイヤで、しかも、インフレリスクにそなえたい人です。終身の死亡保険なので、将来、必ず死亡保険金が支払われます。貯蓄性のある保険で、将来の物価上昇にも対応できる保険がいいと考えるなら、積立利率変動型終身保険を検討してみてもいいでしょう。

低解約返戻金型終身保険とのあわせ技の商品もある

積立利率変動型終身保険を取り扱っている保険会社は以前よりも少なくなっています。ただし、低解約返戻金型の終身保険と、この積立利率変動型の特徴をあわせ持った終身保険もあります。

低解約返戻金型は、保険料払込期間中の解約返戻金が低くおさえられており、保険料払込満了後は通常の終身保険と同じ水準に回復し、その後は経過年数に応じて解約返戻金が増えていくもの。その分、保険料が割安に設定されています。

低解約返戻金型で保険料払込期間中の保険料をおさえ、積立利率が変動することによって死亡保険金や解約返戻金が増える可能性を持たせたあわせ技の終身保険ということです。仕組みが複雑なので、よく理解してから加入することが大切です。

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子どもマネー総合研究会

執筆 小川千尋