医療保険「先進医療給付金のしくみ」

先進医療の費用の相場と先進医療保障のしくみ

ここ数年、先進医療や先進医療給付金などの言葉を保険会社のCMなどでよく耳にします。
しかし、実際どんな医療が先進医療なのかご存知でしょうか?
ここでは先進医療と先進医療給付金について解説していきます。

先進医療とは?

先進医療とは?

先進医療とは、大学病院などの医療機関で研究・開発された医療技術のことで、厚生労働省が保険対象にするか検討している医療とも言われています。
先進医療の安全性と治療効果は確保されているため、治療を受けたい人もいるでしょう。
しかし、費用は健康保険の適用外のため、治療費は全額自己負担になってしまう上に、一般的な治療費より高額となる場合があります。健康保険適用外で高額な技術料が必要になる場合がある先進医療は、実際にどのくらいかかるのでしょうか。

先進医療 年間実施件数

主な先進医療の技術名1件あたりの先進医療費用(注)平均入院期間年間実施件数
陽子線治療2,692,988円14.9日1,293件
重粒子線治療3,162,781円5.3日562件
細胞診検体を用いた遺伝子検査78,072円6.5日493件
ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)28,388円2.4日764件

出典:厚生労働省第117回先進医療会議
先-1-1(参考資料1)「【先進医療A】令和4年6月30日時点における先進医療に係る費用 令和4年度実績報告(令和3年7月1日~令和4年6月30日)」
(注)「1件あたりの先進医療費用」は上記出典データを用いてニッセンライフが算出

治療法によって費用も様々ですが、がん治療で陽子線治療や重粒子線治療をする場合は、高額になる傾向があります。

先進医療給付金は必要?

先進医療特約は、医療費が高額になる傾向にあるため、付加しておくことをおすすめします。特約を付帯しておけば先進医療しか病気を治す術がない方や、よりよい医療を受けて治したい方は先進医療の給付を受け取ることができます。
先進医療給付金の多くは、技術費用実費と同額が支払われ、通算2,000万円が上限となっています。また、特約の保険料の多くは、100円程度と低い金額です。したがって、治療の選択幅を広げるためにも、先進医療特約を付加しておくことをおすすめします。
保険期間は、終身型と更新型があります。一生保険料が上がらないのが終身型。更新型は、更新ごとに保険料が上がる可能性はありますが、必要な時期だけ備えられ、保障の見直しを一定期間ごとにできる使い勝手の良さがあります。どちらかご自分にあった方を選ぶとよいでしょう。

先進医療技術を受けられる医療機関は決まっています。

先進医療はどこの病院でも実施しているわけではありません。つまり受けられる医療機関は決まってしまっているため、病院が遠い場合には、交通費や宿泊費がかかってしまうことを念頭に置きましょう。
先進医療給付金は、技術料実費と同額の給付金が支払われるタイプが多い中、一時金をプラスして給付するタイプもあります。一時金は、病院までの交通費や宿泊代などの負担分として活用することができます。
お住まいの地域によっては、遠くの病院まで行かざるを得ないケースもあるでしょう。そのような方は、先進医療に一時金が付くタイプの保険を選んでみてはいかがでしょうか。
※「先進医療」とは、厚生労働大臣が認める医療技術で、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されています。 また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症・実施する医療機関は随時見直されます。

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K&Bプランニング

小澤美奈子