地震保険のしくみ③

地震保険料のしくみ

地震保険の保険料は「建物の構造」と「建物の所在地」により料率が異なり、特に耐震性能の優れた建物には割引があります。これらによりそれぞれの建物のリスクにふさわしい保険料になるように決められています。地震保険料について詳しく見てみましょう。

建物の構造について

地震保険では、建物の地震の揺れによる損壊や火災による焼失などのリスクを考慮し、「イ構造」と「ロ構造」の2つの区分に分けられています。下図の通り、構造によって保険料にも違いがあります。

図 竜巻の月別発生数確認数(1991〜2015年)建物の構造について

出典:損害保険料率算出機構 平成29年度版火災保険・地震保険の概況より

建物の所在地(都道府県)によって保険料は異なる

地震保険では、地震発生の危険度に応じた都道府県別の基本料率が定められています。
最近では2017年1月に保険料率が改定され、料率が引き上げになりました。(今後さらに2回の料率の引き上げが予定されています。1回目は2019年1月に改定。2回目の時期は未定。)

地震保険料の基本料率(保険期間1年、保険金額1,000万円につき)

都道府県イ構造ロ構造
岩手、秋田、山形、栃木、群馬、富山、石川、福井、長野、滋賀、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島6,800円11,400円
福島7,400円14,900円
北海道、青森、新潟、岐阜、京都、兵庫、奈良8,100円15,300円
宮城、山梨、香川、大分、宮崎、沖縄9,500円18,400円
愛媛12,000円23,800円
大阪13,200円23,800円
茨城13,500円27,900円
徳島、高知13,500円31,900円
埼玉15,600円27,900円
愛知、三重、和歌山17,100円28,900円
千葉、東京、神奈川、静岡22,500円36,300円

出典:日本損害保険協会ホームページ 地震保険の保険料改定より

地震保険の割引とは

地震保険は建物の建築年、耐震等級などその構造によって以下のような割引制度があります。なお、割引は重複して適用することはできず、一つだけを適用することができます。割引を適用して契約する場合、基準を満たしていることを証明する所定の確認資料の写しを提出する必要があります。

適用条件割引の種類
住宅性能表示制度の
「免震建築物」である
免震建築物割引 50%
住宅性能表示制度の
「耐震等級1・2・3」に該当する
(この他国土交通省の指針に基づく耐震等級も含む)
耐震等級割引
耐震等級1:割引率10%
耐震等級2:割引率30%
耐震等級3:割引率50%
地方公共団体等の耐震診断・耐震改修により現行耐震基準を満たしている耐震診断割引 10%
1981年6月1日以後に新築建築年割引 10%

※保険期間の途中で確認資料を提出した場合、保険料の割引は資料を提出した日以降適用されます。

出典:平成29年度版火災保険・地震保険の概況より

保険料を計算してみよう

以下の地震保険の契約対象の地震保険料を計算して見ましょう。

  • ・保険の対象:居住用建物とこれに収容される家財
  • ・構造:イ構造
  • ・居住用建物の所在地:静岡県
  • ・建築年:2010年
  • ・耐震等級:2等級
  • ・保険期間:1年
地震保険料

保険料節約のコツ

地震保険は、主契約である火災保険の保険期間にあわせて契約をします。
ただし、万が一火災保険の加入時に地震保険に入らなかったとしても、保険期間の途中からでも加入することは可能です。
保険料をおさえるコツには、主契約の火災保険の保険期間を長く設定して、保険料の支払い方法を「長期一括払」にする方法があります。元々の料率に、「長期係数」が適用されることにより保険料が軽減されます。
地震保険の保険料を計算してみると、あなたの住んでいる地域、そして住まいの地震保険のリスクがどのくらいあるのか、あらためて確認する機会になるかもしれません。

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駒野彩子

(K&Bプランニング小澤美奈子監修)